澄む月のひかりに

先日、たまたま入手しましたこちらの本。毎田周一の『澄む月のひかりに』ですが、読み始めてみると思わず引き込まれていってしまいました。調べてみますと、毎田周一は暁烏敏に師事し、京都大学哲学科で西田幾多郎の教えを受け、卒業後は金沢で教員を務めて…

Ślokas and vipulas

最近こちらの論文をようやく読み終わりました。はじめはちょっと取っつきにくく、細部でよく分からない部分も多く、読み通すのに時間がかかってしまいました。しかし、その内容については興味をそそられるものでした。経典は匿名の著者によって、いろいろと…

インド的?

最近こちらの本が出ました。中国唯識思想史研究-玄奘と唯識学派-作者: 吉村誠出版社/メーカー: 大蔵出版発売日: 2013/09/30メディア: 単行本この商品を含むブログを見る“中国唯識思想史”いうタイトルでは、他になかなか類書を思いつきません。その意味で非常…

Sautrāntika

今、加藤純章先生の『経量部の研究』を読んでます。図書館から送ってもらったものです。古書はなかなか見ないもので、仮に出てきてもかなり高いので、手が出ません(苦笑)。私も何回か扱った覚えがありますが、こういうのは高くても確実に売れるものです(^^;…

忘れられた仏教哲学者

北山淳友という方をご存知でしょうか?ネットを検索しても、Wikipediaに記載もなく、現代では知る人ぞ知るという感じの、いわば忘れられた仏教哲学者です。1902年に静岡県内の浄土宗のお寺に生まれ、宗教大学(大正大学)で望月信亨、荻原雲来に学び、1924年…

The Foundation for Yoga Practitioners

注文を出していたこちらの本が到着。1万円弱の価格とそのボリュームに買うのを躊躇しましたが、松江に行くのに夜行バスを使って、資金を捻出しました(笑)。夜行バスに揺られていくと、この本が待っている。それじゃ、夜行バスにするに決まってるじゃありま…

松江を訪ねて

8/31(土)・9/1(日)と松江で開催された印仏(日本印度学仏教学会)にて発表をしてまいりました。今回が印仏発表デビューということで結構緊張しましたが、無事に終わり今ではほっとしています。松江くらいの規模の街ですと、どこに行っても業界関係者に遭…

中村先生と井筒先生

お久しぶりです。諸般の事情により、あんまり勉強出来てない状況がしばらく続いてます。やっぱり、勉強は若いうちにやるべきですねぇ。中途半端に歳取ってからやろうとしても、なかなか思うようにできないものです。今までは騙し騙しやってきましたが、こう…

大乗起信論と革命思想

先日、たまたまこちらの講座の資料を読ませていただく機会がありました。近代日本、東アジアにおいて『大乗起信論』がいかに受容されていったのかがよくわかるもので、非常に面白く読ませていただきました。特に、ナショナリズムの道具として使われ、中国や…

いくつか新刊書

更新をサボってた間に、いろいろと新刊書が出ています。智慧/世界/ことば: 大乗仏典I (シリーズ大乗仏教)作者: 高崎直道,下田正弘出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2013/05/17メディア: 単行本この商品を含むブログを見る このシリーズは出るたびに買ってます…

インド土着思想 vs. ギリシア哲学

5月はいろいろイベントが目白押しで、少し忙しくしておりました。やっと一息ついたところに、中間発表会の案内も来まして、勉強しなくてはまずいなぁというムードが高まってきた今日この頃です。休学中も来るんですねぇ。いっそのこと研究費補助も出していた…

Skt.動詞語根変化表

仏教研究者の方の蔵書が相次いで入荷しておりまして、連休明けにもまた入荷する予定です。先生方の蔵書を拝見するのは古本屋冥利に尽きるわけですが、その都度、発見や驚きがあります。こういうのがあったのか!思わず、口に出てしまいそうな時も…(^^;;さて…

電子化の波

前回のエントリで書きました文献案内ですが、三蔵の次はサンスクリットに関して書いてみました。サンスクリット関係は、すでにいろいろと有益なサイトがあり、文献案内も詳しく書かれております。それらの情報にほとんど付け加えることもありませんが、古本…

古本屋からの文献案内

店のHPにこういうのを作ってみました。まだちょっとしか出来てないんですが、これから随時更新していくつもりです。実は前から構想はあったのですが、ズルズルと後回しになっておりました。そんなところ、先日ある先生との雑談中に、古本屋こそがこういう文…

龍樹は三性説を知っていたのか?

以前注文してた本が到着しました。注文してたことを完全に忘れていた(^^;;Nagarjuniana: Studies in the Writings and Philosophy of Nagarjuna (Buddhist Tradition Series)作者: Chr Lindtner出版社/メーカー: Motilal Banarsidass Pub発売日: 1987/12メデ…

売りものではないんですが…

今年の3月は、例年以上に本の買取が多かったです。何か連日外を廻っていたという感覚。しかし、いろいろとお声をかけていただくのは非常にありがたいことで、仏教書はじめ良書が大量に入荷しております!!そのなかで、個人的に興味を惹いたのが、ある仏教研究…

ダイジェスト版

通勤電車内でこちらを読みました。実は某サイトのポイントが溜まっていたので、それで買わせてもらいました。本当の仏教を学ぶ一日講座 ゴータマは、いかにしてブッダとなったのか (NHK出版新書 399)作者: 佐々木閑出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2013/02/…

哲学の国籍

ちょっと前の話ですが、市場にいわゆる京都学派と呼ばれる人たちの著作、研究書が続いて出ました。西田、九鬼の著作集(旧版)はいつでもよく出ますが、それ以外ですと『善の研究』初版本(明44)!、西谷啓治著作集・全26巻!、燈影舎・京都哲学撰書…。西谷…

インド拳法

最近入荷した仏教書を整理してて、見つけた本。開いてみると、詳解なイラストが豊富にあって、非常に楽しめる本。思わず読んでしまいました。図説 インド神秘事典 (講談社SOPHIA BOOKS)作者: 伊藤武出版社/メーカー: 講談社発売日: 1999/11メディア: 単行本…

ブッダとは誰か

吹田先生の新刊ということで、早速購入して読みました。ブッダとは誰か作者: 吹田隆道出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2013/02/28メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る仏伝というのがいつ頃書かれ出して、それがどのように増殖していくのか、…

ガンダヴューハ

最近、華厳経について調べる必要を感じていて、いろいろと本を探してます。梵本は十地品、入法界品だけなんで、あとは漢訳とチベット訳ということになるんですが、全体的にざっと読む分には、やはり国訳の書き下し文がいいかな、と。ちょっと前に、「日本の…

唯識三年、倶舎八年

先日買ったこちらの本、早速読んでみましたが、一般向けの本ということで、非常に明快で、すっきりと読めました。印象に残るのは、仏教でいう業の理論と現代科学のカオス理論とがシンクロしているというところですね。意外と人類は古代からいわゆる複雑系と…

仏教は宇宙をどう見たか

出たばかりのこちら、早速購入!仏教は宇宙をどう見たか: アビダルマ仏教の科学的世界観 (DOJIN選書)作者: 佐々木閑出版社/メーカー: 化学同人発売日: 2013/01/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る化学同人社という出版社から出てることか…

Sanskrit Syntax

先日twitterでも、ここでも紹介しましたこちら、早速購入しました!内容は、サンスクリットの構文、語法について、例文を挙げて解説するというSanskrit Syntax(統語論)です。記述の順序は、前著『新・サンスクリットの基礎』の順序に倣っているようです。…

2013年度の計画など

新年の初めということで、今年もどうぞよろしくお願いします!新年早々、昨日は京都の本学へ面談授業に行ってまいりました。今月末に研究報告書40000字分提出して、今年度は終わります。何とか出せそうです。来年度(2013年度)ですが、とりあえず4月から休…

営業努力!

今年もいよいよ大詰めですが、先日ふらっといらしたお客様に「いかに生きるか?」そういう問いに答えてくれるような哲学の入門書はありませんか?といきなり尋ねられました!古本屋をやってますと、いろんなこと尋ねられますが、こういう風に単刀直入にズバ…

龍樹文献群

ご無沙汰しております。9月から11月にかけて、いろいろありまして、なかなか更新できませんでした。そうこうしてるうちに、今年も残すところあと2週間余りとなってしまいましたが、最近はやっと、日々少しだけですが、勉強時間を確保して、何とかパートタイ…

アジアの光

ちょっと前になりますが、エドウィン・アーノルドという英国詩人の“The Light of Asia”という本が入荷しました。初版は1879年にロンドンで出たものですが、これは1932年にアメリカで出た版です。W.ポガニーという、古書業界でも有名な挿絵画家による表紙、挿…

中华大藏经

先日の本郷通信にも書いたのですが、以前古書市場に『中华大藏经』(蔵文)のテンギュルの方、1-63巻(うち3冊欠)が出ていました。全124冊の約半分のみ、しかも間が抜けているという、(いかにも)売るのに難儀しそうなセットでしたが、落手いたしました。 …

近況―停滞期を終えて

しばらくぶりです。9月、10月と、いろいろありまして、殆ど勉強できませんでした。そういう状態が続くと、集中力というかモチベーションも下がり、木田先生の本やハイデッガー関係を読んだり、現実逃避してしまったのですが…。そうしてるうちに、気付くとも…

「有」か「存在」か

文庫化されたこちらを買って読みました。最近はあまり読んでなかった木田先生の本、ハイデッガー講義録の“拾い読み”とくれば、読まなきゃ!と思い購入。ハイデガー拾い読み (新潮文庫)作者: 木田元出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/08/27メディア: 文庫 …

豪華本の行方

古本の世界には、いろいろと豪華本というのがあります。この本も、誰がなんといおうが、間違いなく豪華本でしょう! 1冊1冊がずしりと重い背革装! しかも天金! このような、内容を兼ね備えた豪華本も、かなり安くしないと売れなくなってしまいました。とい…

魔力!?

先日、再び京都の本学へ面談授業に行ってまいりました。午前、午後の2コマ、梵文読解です。いつも言われるのは、主語と述語を明確にしろ、名詞と形容詞をはっきり区別しろ…という日本語として至極当然のことなんですが、どういうわけか、そんな当然のことが…

唯識・瑜伽行派の最新の研究成果

最近出たこちらを早速買いました。個人的には、このシリーズの中では一番待ち望んでいたものでしたので、早速読み始める。唯識と瑜伽行 (シリーズ大乗仏教)作者: 高崎直道,桂紹?出版社/メーカー: 春秋社発売日: 2012/08/24メディア: 単行本この商品を含むブ…

売れるまでの間・・・

最近、インド中観派~チベット密教関連の仏教書が入荷しまして、その中にこちらの本が入ってました。稲葉正就著『チベット語古典文法学』の増補版です。元版は、昭和29年初版で、昭41年に改訂版が出てます。それを大幅に増補したもので、元版の頁数が249頁な…

増谷文雄 阿含経典

ついに、ちくま学芸文庫より増谷文雄・阿含経典が復刊されました。1冊、なんと1,890円!阿含経典1 存在の法則(縁起)に関する経典群 人間の分析(五蘊)に関する経典群 (ちくま学芸文庫)作者: 増谷文雄出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/08/08メディア: 文…

買い換え

実は、来週引越しをすることになりまして、ちょっと前から自分の蔵書を整理してて、不要なものは売ってしまいました。といって、自分の店で売ってるんですが…(笑)。さすがに、同業他店に「売りたいんですけど…」って持っていけませんよね(笑)。その処分…

ジャケ買い!

元版の中公叢書を持ってますけど、新しく出た文庫、そのカバーの写真に惹かれて買ってしまいました。この写真は中公叢書版にはなく、初めて見るものなんで。物語「京都学派」 - 日本の知性を代表する哲学者たち (中公文庫)作者: 竹田篤司出版社/メーカー: 中…

英訳求む!

先日、ベートリンク・ロートの梵語大辞典7冊、簡約版3冊、補遺1冊、ともに名著普及会版が入荷しました。中には、初めて見る、出版社のパンフがあって、思わず読んでしまいました。辻直四郎、金倉円照、中村元、原実…といった著名な先生方による推薦文が載っ…

中間発表会

先週の土曜日、今年度第1回目の中間発表会が終わりました。当日は6時過ぎののぞみで東京を出発し、9時20分頃大学へ。発表会の後は、大学から歩いて5分程のしょうざんリゾートの中にあるレストランで懇親会でした。私はその日のうちに帰京しなければならなか…

誘惑に負けて…

先日、こちらの本を入手しました。聖入楞伽経註 (チベット仏典研究叢書 (第4輯))作者: ヂニャーナシュリーバドラ,羽田野伯猷出版社/メーカー: 法蔵館発売日: 1993/12メディア: 大型本この商品を含むブログを見る 前から欲しいとは思ってたんですが、なかなか…

勉め強いること

30日の初日だけですが、鶴見大学で開催された印仏学会行ってまいりました。初めての参加でしたので、どんな雰囲気なのか知りたいと興味本位で行ってしまいました(笑)。かなり人が多くて何か圧倒されてきました。佐々木先生と下田先生のなんて、大教室が超…

荻原雲来と渡辺海旭

最近出たこちらの本、早速買ってみました。我が国の仏教学黎明期、多くの僧侶(参照)が海を渡り、イギリスやドイツで梵語や巴利語を習得し、仏教学の基礎を確立しますが、その中の荻原雲来と渡辺海旭という巨人に焦点を当てています。今でこそ、原始仏教、…

チベット語入力

チベット語を読んでますが、私が読んでる経典はネット上でローマ字文が公開されてますが、やはりローマ字では読みにくい…。そこで、それをチベット文字に変換! 大蔵経のはこんな感じで細かく、見難いのですが、 こんな風になります。 きれいだ(笑)!!

初回・面談を終えて

先日、博士課程になって初めての面談をしてまいりました。これからどのように進めていくか、その辺りの話もさせてもらい、また、事務局ではいろいろと、根堀葉堀、書類のこと、事務手続きのことを質問させてもらいました。 面談授業は、基本的に先生と差し向…

最上の入門書!?

先日ここでご紹介した「A Primer for Classical Literary Tibetan」ですが、読み進めるに連れ、愛用しています。なんといっても、この本のいいところは、巻末にAppendixとして「Summary of Particles」、つまり助辞のまとめがついていることです。たとえば、…

百花繚乱!?

予定より1~2ヶ月遅れですが、ようやくテキスト読みが当初予定していた部分、終わりそうです。本当は3月前に終わらせておきたかったのですが。私が読んでるのは梵語原典の他に蔵・漢訳をはじめ、和訳・独訳・仏訳・現代中国語訳…と百花繚乱でして、その分、…

山の中から見つけたものは・・・

今週の洋書会はたくさんの量でしたが、その中の一つに面白い出品がありました。初めは、西洋古典、ギリシア・ラテン語関係がメインかと思って、本を広げていったのですが、他にも社会経済関係、統計学、数学、哲学…など色々と出てきて、さらにアジア系言語の…

商売優先!?

今週の古書市場でこんなのを見つけました!CD-ROM全14枚シリーズのうち、1枚欠(Vol.1)なんですが…。こういうのって、大学の先生間では結構持っていらっしゃるのかとは思いますが、私を含めた一般人にはなかなか目にする機会がありませんね。ということで、…

A Primer for Classical Literary Tibetan

こちらを少しずつ読んでます。とりあえず四割ほど読みましたが、私が以前勉強した本と比べると説明がかなり親切丁寧で、分かりやすいと思います。私が買ったのは第2版ですが、解答付の練習問題が結構あって、例文はどれも仏教文献からのものです。私が思うに…