古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

中村屋のボースさん

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義

中村屋のボース―インド独立運動と近代日本のアジア主義


面白い本が最近入荷しまして、つい自分で買ってしまいました。日本で初めて純インド・カリーを売り出した新宿・中村屋さんと、そのレシピを教えたラース・ビハーリー・ボースについての本です。

それにしても、あの新宿・中村屋さんが最初本郷の東大前でクリームパンを売るパン屋さんだったとは・・・。でも、この本の中では、赤門の前ということになってますが、正しくは正門前のようです(←新宿中村屋発祥の地)。私は、あんまり本郷郵便局より先へは行ったことないんで、その発祥地である「喫茶こころ」という喫茶店の存在も知りませんでした。。。

いずれにしても、新宿・中村屋さんの「インドカリー」は、それなりの背景があって生まれたもので、そういうのを知るには最適のうんちく本です。

でも、ボースさんの頃から比べて、これだけインド料理屋さんが日本に増えて、インド料理の知名度もかなりあがったのに、例えば、インドに旅行したことありますって言うと、「えーっ、毎日カレー食べたんですか?」ってよく言われます(笑)。外国の人からみれば、インドの人が食すものは、サブジだろうが、ダールだろうが、結局何でも「カレー」になってしまうようです(笑)。確かに、味付けはどれも似通ってるんですが、それでも彼らにしてみれば、ダールはカリーではなく、やはりダールでしょう(笑)。

先日、店でこの本を読んでいると、隣のインドの友人がやってくる。私が読んでたこの本の表紙に目がとまった様で、ボースさんのことを話す。何でも今度奥さんが日本語検定を受けるんだとか。それで、その過去問を印刷してあげる。その問題文について、いろいろと説明する。インドの人って、日本語の「さ・し・す・せ・そ」が「しゃ・し・しゅ・しぇ・しょ」になってしまう傾向があって、さ行ではないんですが、問題文にあった「近所づきあい」というのを何回教えても、「きんじょ・じゅきあい」になってしまってました・・・。