古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

レポート進捗状況

4月半ばを過ぎたのに、冬のような寒い天候が続きます。1週間ほど、ご無沙汰してしまいました。その間忙しかったというわけではないんですが、レポートに取り掛かるにあたって、本を読んでおりました。龍樹『中論』の「空」と「縁起」というのが、一応テーマになってまして、asin:4061595482:404198503X、asin:4393101472というのは何度か読んだんですが、その他いろいろとありますよね。

龍樹(ナーガールジュナ)―空の論理と菩薩の道

龍樹(ナーガールジュナ)―空の論理と菩薩の道


こちらを先日偶々入手。

さて、『中論』の原典というのは、チャンドラキールティの『プラサンナパダー』(Prasannapadā)のサンスクリット校訂本から抽出されるようで、その『プラサンナパダー』はBibliotheca Buddhicaシリーズとして、出版されてます。

De l Vallee Poussin,Mūlamadhyamakakārikās de Nāgārjuna avec la Prasannapadā commentaire de Candrakīrti,Bibliotheca Buddhica IV. St.Petersburg.1913

そのBibliotheca Buddhicaという全32冊のシリーズは、古本として何度か売ったことがあるんですが、元本は20世紀のはじめにロシアで出版されたやつですが、ドイツ(biblio verlag)、日本(名著普及会)、インド(Motiral Banarsidaas)でリプリントされてます。ネットで検索しますと、新刊としては、インドの全32冊セットasin:8120809769てるんでしょうか。穂高書店さんから去年いただいたカタログには53,000円となってましたが・・・。

なお、そのプサンという人の校訂本の他には、次のものもあるみたい。

J.W.de Jong,Nāgārjuna Mūlamadhyamaka-Kārikā. Adyar Library Series 109, Madras, 1977

一応通信の場合は、修士課程とはいっても、カリキュラム上、サンスクリットはちょっとしかないんで、レポートでは漢訳でいいようです。それでも、実際に原文の方も読んでみたいと思いますので、図書館に行って今度借りてみたいですね。古本市場でも何気にずっと探しているんですが、古本としては、セットで出てくる確率の方が高いような気がします。そういえば、北星堂書店というところから出てるサンスクリットと英訳の対照になってる次のものを、古本で安価で入手できました。

Kenneth K. Inada,Nāgārjuna:A Tranlation of his Mūlamadhyamakakārikā with an Introductory Essay,Hokuseido Press(Tokyo)