古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

年度末

古書業界は、6月が年度末になりまして、来週が最終市会となります。洋書会も来週が最終回になりまして、その後は会食だそう。来年度は私も役員(総務・広報)に加わることになりました。振り返れば、私が洋書会に出させてもらうようになってから、早いものでもう7、8年くらい立つのでしょうか。初めの頃はまだ古い古書会館の頃でした。一応、外部へのPRとして、洋書会を紹介させていただきますと(笑)、洋書会は日本で唯一の洋書専門の古書交換会でして、日本を代表する(笑)洋古書店の方々で運営されております。専門分野は多岐にわたり、言語も英・仏・独はもちろん、ロシア語、アラビア語サンスクリットチベット語だっていけます(笑)。皆さん、海外のブックフェアーやオークションへ買い付けに行くなど海外と積極的に商売をなさって、海外市場に精通した方ばかりです。何でも、最近の海外の古書事情としては、良書(=稀覯書)というのがなかなか出てこない情況のようで、稀覯書の価格がかなり上がってるそうです。海外の一部の業者は日本にもわざわざ仕入れにきてるようです。

洋書(特に学術研究書など)というのは、結構特殊な部類に入ると思いますので、蔵書の処分にあたりましては、本を知る業者へ回すのが最良かと思います。それにより、貴重な研究書が次世代の研究者の方へ渡ることにもなり、研究の発展も望まれるというもので…となんか偉そうなことを書いてしまいましたが(笑)、そういう面でいいますと、研究者の方々の蔵書の処分には、是非ご利用していただきたいと思っております。以前、そんなことを私の先生ともお話したんですが、妙に共感する部分がありまして、蔵書の処分のときは是非私にお声をかけてくださいと言っておきました(笑)。

洋書というのは、結構未知数な部分があって、掘り出しものが埋まっていることが多々あります。山の中に結構なものが入ってることも何度かありましたし…。ま、何がお宝なのかというのは考えはじめると結構難しいところでして(笑)、今捨てているようなものが実は貴重なものだったということにもなりかねないんでしょうし…、そういうことからすると廃棄本の山への見方も変わってくるというものです(笑)。

記憶に残ってるのでいいますと、フッサールの「イデーン1」の初版本(1913年)も市で買いましたね。こういうお宝もどこかに紛れて出るかもしれません(笑)。そういう面では、同業の皆さまもどうぞ活用していただきたいと思います。
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今、古書月報(古書組合発行の機関紙)の新年度の交換会ニュースの原稿を書いてるところです。普段熱心に読んでないんで(失礼!)、今バックナンバーを読み返してますが、皆さん、いろいろと書かれてるんですね…。