インド・アーリア人征服説=とんでも学説!?

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以前こちらを見て、面白いなぁと思いまして、出たばかりのこの本を入手する。アーリア人征服説というのが、神話をもとにした科学的な根拠のない、とんでも学説かもしれない(!?)というのです。有名なカースト制度にしても…

アーリア人という鼻の高く色白の人々が外からやってきて、色の黒くて鼻の低い原住民を征服し、隷属させたのだ、そういうことが、お前達の聖典には書いてある。だから、我々お前達の上流階級と同じ白人が優れた文明を広めるのと同じだ、という文化工作をおこなったのである*1

ということにも成り得るようで、今までの通説とはだいぶ趣きが異なってきます。

あと、面白いのが南ロシアに広がる牛分布帯と、中央アジアに広がる羊分布帯の話。南ロシアの牛・遊牧民であるアーリヤ人が南下してインドへ至ったというのなら、生態的に全く違うのを無視することにもなるようで、ちょっと無理があるのではないかと…。また、インダス文明というのも、以前はアーリア人により、滅ぼされたというふうに聞いた覚えがありますが、こちらによれば年代的にも合わないようですし…、まぁ、いろいろあるようです。

インドの場合、『リグ・ヴェーダ』という「神話から歴史記述が始められる極めて稀な地域」ですから、「どのようにも解釈可能な古代の神話をもとに歴史を語ろうとするのがどだい無茶な話」になってくるのかもしれないですね…。


余談ですが、本書の中でヴァルナ制の「ヴァルナ」(色)とは何かというところで、何故か『般若心経』の「色即是空、空即是色」*2の「色」が「ものの実体や形」という意味だから、ヴァルナとは人間世界において「ある役割を果たすべく存在する人間たち」という意味なので、皮膚の色とは全く関係がないとされてる箇所があります。あれ??って思いましたが…。

*1:リンク先からの引用

*2:rūpaM śūnyatā śūnyataiva rūpam