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魂のライフサイクル

雑記

前回の続きですが、『法然―世紀末の革命者』の中では、ユングのほかにも、西田幾多郎の絶対矛盾的自己同一やウィルバーの無境界など仏教外部の様々な思想でもって、法然を論じてます。法然の神秘体験をウィルバーの言う意識変容体験に近いものであったとするなど、その博学な見識もそうですが、そうした理論で法然を捉えることに驚きつつ、妙に納得してしまいました。何か法然について、今まで持っていたのと違うイメージを与えられた感じがします。ただ単に私が知らなかっただけなのかもしれませんが。


魂のライフサイクル―ユング・ウィルバー・シュタイナーユングやウィルバーということで、何となくこの本を引っ張りだしてきました。この本では、エリクソンのライフサイクル論を軸に、ユング、ウィルバー、シュタイナーという三人について、魂のライフサイクルという観点から捉えようというものです。魂のライフサイクルというと、仏教の四有や輪廻、『バルド・トドゥル』、あるいは平田篤胤等…いろいろ連想してしまいますが、あくまでもエリクソンの発達心理というのが軸にあって、死後の世界とかあの世への旅立ちみたいな(笑)そっち系ではないようです。たしかに、上記3人には、共通して『バルド・トドゥル』の影響があるようですが、その点に関してはあまり深入りせず、むしろ、ウィルバーのいう意識変容過程みたいな“発達”を焦点にしている印象です。発達心理学に死後の世界が出てくるというのは、カテゴリー・ミステイクだろう、と。ま、何はともあれ、私にとってはユングやらウィルバーの入門書的な感じで、手っ取り早く要点がまとまってる感じな本で助かります。


そういえば、ちょっと前にこちらのゲルク派版『死者の書』*1を入手。ニンマ派の『バルド・トドゥル』が死者が次ぎの生に至るまでの期間に枕元で聞かせてもらう枕経であるのとは対照的に、ゲルク派のは、死ぬ前に学習することが条件となっている修道者の手引きのような感じみたいです。
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*1:チベット語を直訳すると『基本の三身の構造をよく明らかにする燈明』だそうです。“シー・ク・スン・キー・ナム・シャー・ラプ・セル・ドゥン・メー”