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センス・オブ・ワンダー

仏教

神社霊場 ルーツをめぐる (光文社新書)元旦に買ったこちらの『神社霊場 ルーツをめぐる』ですが、暇を見つけては少しずつ読んでました。全国各地の神社霊場の紀行文という感じで、どこからでも気楽に読める内容でしたので。神社は死のケガレを忌避し、葬地はお寺にまかされ、霊場は仏教的なイメージとしてあの世を再現するというように、一応、棲み分けはなされるわけですが、その実、神社と霊場はルーツが重なるのではないか?全国の神社霊場をめぐって、そういう風に思えたと著者はいいます。それは、森羅万象、万物に潜む超自然的な気配を神として崇めてきたという、縄文以前からのアニミズム的な感覚というところに、そのルーツがあるからなんでしょう。原始の霊や御魂が祀られるとき、そこに社殿や鳥居などなかったといいますし。


神道とは何か―自然の霊性を感じて生きる (PHP新書)』などによりますと、通常、神道は弥生時代の稲作文化の中から生まれたとされますが、その原初形態は縄文時代以前からあるもので、もともとは、自然への、存在への畏怖ともいえる“センス・オブ・ワンダー*1の感覚を感じることに、その源泉があったといわれます。そこでは、北方系や南方系といった環太平洋文化が入り混じり、神神習合を経て、やがては八百万の神が誕生するわけです。そして、そういう土壌の中に仏教が入り、新たに神仏習合がなされますが、鎌田氏によれば、神仏習合も神神習合のバリエーションに過ぎないようです。そう考えてみれば、神社や霊場という一応の区別があるものの、それらのルーツは同じように思えるというのもよく分かります。


神と仏の精神史―神神習合論序説

神と仏の精神史―神神習合論序説


ともかく、『マンダラの謎を解く』『空海 塔のコスモロジー』では、インドの仏塔に焦点を当て、今度は日本の神社仏閣ということで、インドから日本へという流れで一連の本を書かれたのかな…と推測もできます。そういう意味で、前二著と合わせた三部作が完成というところなんでしょうが、今後も楽しみにさせていただきます。

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