古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

新しい入門書

f:id:furuhon-ya:20100203235209j:image:right:w120出たばかりのこちらの『サンスクリット語・その形と心』を購入してしまいました。文法書はすでに辻文法と菅沼文法の3冊を持っていますので、とりわけ買う必要もないのですが、何となく買ってしまいました。それは、本を開いた第一印象が、その二著とは違っていたからです。システマティックな文法書というより、例文とその解説が多く載っている体裁の本で、変化表も当然載っているのですが、菅沼文法のように、すべて網羅する!という感じではありません。そして、所々に挿入される「雑学のよろこび」というコラムや、「サンスクリットとはどんな言語か」、「辞書の引き方」、「作品・文献案内」などの文章が読み物としての印象を与える感じにもなっています。例文とその解説も巻末に語彙集が載ってますので、それを活用することで独習できるようになってるみたいです。


いずれにしても、今月から来月にかけて文法の復習も込めて、“読んで”みたいと思います。辻文法や菅沼文法を最初から読むというのは、なかなか出来ることではありませんが、この本は読んでいけるかな、とも思います。日本仏教(例えば、天台本覚思想)の理解には、実はインドのヒンドゥー教の理解が不可欠であって、そのためにはサンスクリットの原典を読まなければならないと仰っていた先生による、新しいタイプの入門書とお見受けいたしました。