ブッダはなぜ女嫌いになったか

ブッダはなぜ女嫌いになったのか (幻冬舎新書)先日こちらの本を買って、とりあえずちょっと読んでみました。悩める王子シッダッタは愛に苦しみ、愛念のあやまちを犯し!?、その苦しみの末に覚者となるわけですが、覚者となった後、彼は徹底して女性に対する警戒心、恐怖感を持つといいます。女性の出家に最後まで難色を示し続けたとか、女性の存在が仏法を駄目にするとか…。そういう差別にも似た彼の女性に対する警戒心は、実は彼の青年時代のマーヤー(母)、マハーパジャーパティー(継母)、ヤショーダラー(妃)という3人の女性との関わりの中に背景があったのでは…?と考えて、彼女たちとの関わりの伝承を見ていこうという内容の本です。


確かに、彼の息子であるラーフラの命名についても、邪魔者、束縛、あるいは悪魔ラーフなどの意味があって、ブッダの子息の名前としてはふさわしくないことは分かるわけで、その辺にシッダッタ青年の愛念のあやまちを窺い知る糸口があるのかもしれません…。本書の中でも触れられていますが、ラーフラの出生については、南伝と北伝でいろいろなバリエーションがあるようです。出生時期についてもシッダッタの出家前に誕生したか、あるいは出家後6年かに分かれ、さらには彼の実子であることを疑う伝承もあるそうです。


でも、ラーフラを悪魔ラーフという意味に取るとすると、マハーバーラタはじめ様々な神話で日蝕と月蝕を起す悪魔ラーフとも関係してきつつ、釈迦族が太陽神の末裔とされているのを考えれば、その太陽神を飲み込む悪魔、つまり彼の一族を断絶させるような名前をつけたことになります。それほどの事態となりますと、やはり、ヤショーダラーが不義の子を産んだのかもしれないという可能性にもなってくるわけで、それがシッダッタ青年の出家を促し、そして一切の愛を断ち切れ!という教えにも繋がっていったとしたら、それはそれで面白いストーリーだとは思いますけどね。