古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

知のコンシェルジュ?

昨日は、古書シンポジウム「滅亡か、復権か−大規模デジタル化時代と本の可能性」というのに出席させてもらいました。前半は、国立国会図書館館長、大日本印刷(株)取締役常務、国立情報学研究所・高野先生による講演。その中では、近代デジタルライブラリー参照)や、想 imagine Book Search(参照)、Webcat Plus参照)、実業史錦絵絵引き(参照)なども改めて紹介される。


後半のパネル討論会では、そもそも本なんて売ってて(作ってて)いいんですか(笑)?という根本的な疑問が投げかけられる一幕もあり、どういう展開になるのか期待しつつ聞いておりました。ま、結局は主催者側への配慮もあってか(!?)これからは、例えば、紙の本を買うと、デジタルテキストが付属するとか、そういうハイブリッド化として、デジタルとアナログ双方が共存していくのでは?という方向性が示されてました。そして、古本屋の存在というのも、いわゆる“知のコンシェルジュ的存在”になっていくのでは?という発言が印象に残りました。ある人が、何らかのテーマについて知りたい、学びたいと思っていたとして、それを古本屋に相談して、それならこういう本を読むといいですよ、そしてその本はどこでいくらで売ってますよ、ということを教えてもらえるような関係とでもいいましょうか。そういう“場”が古本屋であっていいのでは、という。


あ、でも古本屋さんて結構気難しいとこある人多いから、そういう関係になる前には、いろいろと前段を踏まなくてはいけない(!?)というのがあるかもしれません…(笑)。ま、それはともかくとして、お客さんと古本屋との間で交わされた、そういう本に関するやり取りを(ネット上に)蓄積していこうというアイデアについては賛成ですね。そこでも言われてましたが、現在そういうログというのは、どこぞの“教えて!”サイトで交わされた真偽を推し量りかねるものばかりで、結局そういうあやふやな情報ばかりがWeb上に残ってくというのがあるわけですから。


知のコンシェルジュ的存在。私も古本屋のそういう面については、以前から思うところがありまして、働きつつ、大学、大学院で仏教学の研究を試みている次第なんですが、一番大きな問題は、知のコンシェルジュで食べていけるか??だったりするわけなんですよね…(苦笑)。