古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

『般若心経』成立史論

更新がすっかり週一ペースになってしまいましたが(汗)…、相変わらず暑い日が続きます。私の方は、今日・明日と夏休み。夏休みは1週間あるのですが、分散して取ることにして、9月のシルバーウィークあたりにも残りを取る予定です。


さて、先日書店でこちらの本を見かける。私には買えませんが、こちらの内容紹介を読むと興味深く思いますね。特に「大乗仏教と密教が共存する中で生まれた《マントラ文献》であり、決して「空思想」を説く目的で作られた圧縮型の般若経典ではない」というところなど。


『般若心経』成立史論―大乗仏教と密教の交差路

『般若心経』成立史論―大乗仏教と密教の交差路

我が国で最も親しまれている仏典『般若心経』。しかしながら、その抽象的な文章は人々を悩ませてきた。この聖典はいったい何を伝えようとしているのだろうか? 本書はその真意を解明すべく、『心経』に初めて本格的な文献学の手法を適用し、学術的立場から文章本来の意味や、成立の背景を解き明かした研究書である。
 『心経』の一字一句を経典・論書・仏伝など様々な仏典の用例と照らし合わせ、テキストの背景にある文脈を明らかにし、作者像と製作者の意図を導き出すという研究方法から浮かび上がるのは、『心経』が、大乗仏教と密教が共存する中で生まれた《マントラ文献》であり、決して「空思想」を説く目的で作られた圧縮型の般若経典ではないという事実である。
 『心経』の真意を知り、より深く理解したい読者のための一冊!


結局、『般若心経』は密教思想の影響下に成立したようで、その成立年代としては、7世紀前くらいまで下げざるを得ないというところなんでしょうか。その頃には、『大日経』も『金剛頂経』も成立していたわけで、仏教もかなり密教化していたということなんでしょう。


そういえば、先日、お知らせいただいた「ランカーに入る」ですが、早速注文してしまいまして、昨日到着しました^^;
お知らせいただいたy-o様には感謝申し上げます!