先日、新刊書店に行って、普段あまり行かない哲学書のコーナーに立ち寄ると、こちらの本が平積みされてるのが眼に入りまして、思わず買ってしまいました。
- 作者: ルートウィヒ・ウィトゲンシュタイン,野矢 茂樹,大森荘蔵
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2010/11/12
- メディア: 文庫
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「もっとも読みやすいウィトゲンシュタイン」と帯にあれば買わずにはいられないでしょう。私にとっては、通勤電車内用なんですが、これによって濃密な通勤時間が過ごせそう。
ウィトゲンシュタイン関連で最近読んだものとしては、こちらの本が面白かったです。
ウィトゲンシュタイン 「私」は消去できるか (シリーズ・哲学のエッセンス)
- 作者: 入不二基義
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2006/05
- メディア: 単行本
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ウィトゲンシュタインの「私」をめぐる思考を追いかけるのに、その補助線として『維摩経』の維摩の沈黙を挙げているのは、「不二の法門に入る」というお名前を持つ著者ならでは。それによって、例えば、独我論の「私」というのが、世界の全てであると同時に無となってしまうなどの面白い論理展開があります。
維摩の沈黙は、(二項対立としての)不二の法門という言語ゲームの外にあるのか、あるいは、ただ単にぼぉーっとしていただけで、(不二の法門の)言語ゲームにそもそも巻き込まれていないところにいたのか?それらが原理的に区別できず、悟りとおおぼけが一致するという可能性(!)など、ウィトゲンシュタインによって提起された、哲学特有の頭がクラクラするような問題がそこに示されてます。