ユーラシアの東西

先日知ったのですが、杉山先生の新刊が出ました。

ユーラシアの東西―中東・アフガニスタン・中国・ロシアそして日本

ユーラシアの東西―中東・アフガニスタン・中国・ロシアそして日本

注目すべきは「後醍醐天皇の謎―日本史と世界史の交点」。後醍醐天皇の時代は、モンゴル帝国全盛の時代、すなわち、パクス・モンゴリカでもあったわけで、当然大陸からの影響もあっただろうというわけですね。そればかりか、後醍醐天皇は、同時代のモンゴル世界帝国で行われていた、最先端文化を直輸入して、それをそのまま日本でやろうとしたんじゃないか。偏狭な日本史という枠組みを離れ、ユーラシア史という側面から見ていくと、どうやら従来とは違った後醍醐天皇像が見えてくるらしい…。

考えてみれば、法依をまとい、手には密教の法具を持つという、どこかタントリックな雰囲気が立ちこめる後醍醐天皇の周辺には、立川流の大成者・文観もいます。邪教とされた立川流と同様なことは、チベット仏教式の大元ウルス・宮廷でも行われていましたし、そういわれてみれば、なるほどと思えてきます。元との交易を通して、何らかの伝来があったはずと考える方が自然なように思えます。

私には、その辺、判断がつきませんが、いずれにしても、先日書いたゾロアスター教もそうですが、「仏教」とか、「日本史」といったそれぞれの分野を超えた視点というのは、大変魅力的ですね。

「ヘレニズム」も「アーリア人」も「大航海時代」も幻影にすぎない。ユーラシア大陸をひとつの塊として眺めれば、違った世界が見えてくる。多言語一次史料をもとに世界史の見直しを行う歴史学者による最新歴史評論。

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