葬式仏教の凄さ

葬式仏教の誕生?中世の仏教革命 (平凡社新書600)こちらを早速読んでみました。内容的には、(同じ著者の)他の著作とあんまり変わらないような感じですが、お手軽な新書サイズということで、電車内読書用に購入。


この本によれば、葬儀というのは、鎌倉新仏教の担い手である遁世僧によって始められたことになります。それ以前の、官僧による死穢の忌避ということからすれば、まさに革命的な出来事になるそうです。


古代では、「死者=穢れ」という図式によって河原や道端に打ち捨てられていた存在が、「死者=仏」と180°転回して祀り上げられる。そこには、「葬送=浄土に往生する」という死に対する価値観の転換があるわけですが。そういう意味からいえば、念仏結社として知られる二十五三昧会も葬送結社・葬送共同体の走りということになるそうで、なるほどな…と思いました。


死穢を恐れるあまり、僧侶でさえも遺棄されることがあった時代、死穢を乗り越える新たな論理を打ち出すことによって、民衆の救済を行った(遁世僧の)革新性がよく分かります。とかく揶揄されがちな“葬式仏教”ですが、本書の冒頭にありますように、現代の葬式事情からいって葬式と結びついた仏教というのは、日本だけの特色。そしてその原点というのを含めて考えたとき、葬式仏教の凄さに気付かされるんじゃないでしょうか(笑)。ま、揶揄されている問題というのは、ずっと後の時代のことですけど…。

広告を非表示にする