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おそるべき、くろきもの

仏教漢語50話 (岩波新書)こちら買って少し読んでみました。冒頭「序」の部分で、ブッダの漢訳語について少し触れられてます。


ブッダのことを表す漢訳語を見ると、どうもあまり敬意の感じられない意味の漢字が使われてるようだとこの著者は言います。まず、「佛」ですが、これは人であることを否定するという意味ですし、次に浮屠というのも、「屠」(「ほふる」)という字があって、何か関心しないイメージだ、と。


それで思い出しましたが、この本には載ってませんが、梵語gautamaの音訳と考えられる「瞿曇」という語があります。この「瞿」という漢字には「懼れる」(おそれる)という原義が、「曇」には「くろきもの」という原義があります。単純に考えれば、ブッダを「おそるべき、くろきもの」と表現したことになりますが、これはgautamaの義訳である「暗牛」と関連がありそうです(gau=牛、tama=黒暗、闇鈍、という解釈?)。tamaには「最上の」という意味があるので、普通「最上の牛」と解釈しますが、それを「暗牛」や「おそるべき、くろきもの」などと表現するのには、何やら異質なものへの畏怖のような感情、違和感が背景にあったのでは…?と勘繰りたくもなりますね。当時の中国人がインドや西域の人を夷狄と考え、礼をわきまえない非文明な民族だと考えていたというのは大いにありえることですから。


ちなみに、「くろきもの」=黒衣という説がありますが、真偽はいかに?必ずしも当時黒衣をまとってなかったのではないか?という話も聞いたことあります。よく分かりませんが…。