ソグド人の仏教

出たばかりのこちらを購入。龍谷大学仏教学特別講座を元にしたシリーズもの。

西域―流沙に響く仏教の調べ (龍谷大学仏教学叢書)

西域―流沙に響く仏教の調べ (龍谷大学仏教学叢書)

この中にある吉田豊氏の「ソグド人の宗教」をとりあえず読んでみました。敦煌などからはソグド語仏典が出てるそうですが、本書によれば、それらの多くは漢訳からの重訳のようです。梵語やトカラ語からの訳という可能性があるものもあるみたいですが。


仏教の東漸(インド→中央アジア→中国)という一般的な見方からすると、意外な感じがしますが、ソグド人は中国で出家して漢訳仏典から自国語に翻訳していたようです。となると、ソグド人の国では仏教は根付いてなかったのか?という疑問が湧いてきます。ソグド人といえば、イラン系民族でゾロアスター教徒ですが、祆教と仏教との関係はどうなるのでしょう。日本人が神道と仏教を両方信仰しているのと同じように、彼らも両者を混淆させていたのでしょうか。あるいは、祆教は仏教を排除していたのか?将来の研究成果を待たねばならぬ点は多そうです。しかし、現代的な意味での“宗教”という概念が当時の中央アジアにおいて当てはまるのかどうかというのは大いに疑問ですね。つまり、民衆レベルでは、仏教なら仏教、キリスト教ならキリスト教…という他宗教から区別された純粋な教義はそれほど求められてなかったのかもしれませんね。


ちなみに、ドイツのトルファン学研究所とか見ると、ネット上で写本が公開されてます。こちらにもありますが、最近はネット上でいろいろな写本が公開されてるんですね。