本棚を整理していたら、懐かしい本が出てきました。
論文作法―調査・研究・執筆の技術と手順 (教養諸学シリーズ)
- 作者: ウンベルトエーコ,谷口勇
- 出版社/メーカー: 而立書房
- 発売日: 1991/02
- メディア: 単行本
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これは、私が現役の大学生の時、知人に薦められて買ったものです。久しぶりにページをめくってみますと、アンダーラインが結構引いてありまして、当時熱心に読んだのを今でも覚えてます。今読んでみても参考になることばかり。
例えば、「原稿の作成」のところ、「どのように語りかけるか」では、下記のような指摘をしています。
プルーストになるなかれ。冗長な文章を作ってはいけない。どうしてもそれを回避しがたいなら、そうしたまえ。だが、それから後で、それらの文章を区切りたまえ。主語を2回繰り返すことを恐れないで、また、過度の代名詞や従属節を回避したまえ。
そして、こんな文章を書いてはいけないと、下記の文例を挙げています。
今日、大勢の人たちから、現代哲学の代表作と見なされている『論理―哲学論考』を著した有名な哲学者の兄弟だったピアニストのヴィトゲンシュタインは、戦争で右手を失ったため、左手でコンチェルト(協奏曲)をラヴェルに書いてもらうという幸運に巡り合った。
むしろ、次のように書くべきだと。
ピアニストのヴィトゲンシュタインは哲学者ルートヴィヒの兄弟だった。戦争で右手を失くしていたため、ラヴェルは彼のために、左手でコンチェルトを書いたのだった。
ここをお読みいただいてる方はお気づきかとは思いますが、私はどういうわけか、冗長でまわりくどい文章になってしまう傾向があって、今修論などを読み返してみると、ちょっと気恥ずかしい思いがします(苦笑)。もう一度この本読んで、出直しだ(笑)!
ともかく、この本は論文を書く上で、すごく参考になると思いますので、これから卒論を書こうとしている学生さんにはお勧めかと思いますね。