古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

勉め強いること

30日の初日だけですが、鶴見大学で開催された印仏学会行ってまいりました。初めての参加でしたので、どんな雰囲気なのか知りたいと興味本位で行ってしまいました(笑)。かなり人が多くて何か圧倒されてきました。佐々木先生と下田先生のなんて、大教室が超満員で、熱気ムンムンといった感じでした。

伝聞情報によれば、次回は故・中村元先生の生誕100年記念ということで、島根・松江で開催とのこと?山陰中央新報には生誕100年にちなんだ特集ページ(伝記)がありますね。


f:id:furuhon-ya:20120629180234j:plain:right:w150その辺の内容は、以前こちらの本で読んだ覚えがあります。戦時下、初期ヴェーダーンタ哲学史を執筆中に、空襲警報が鳴るたびにその膨大な原稿を持って防空壕に避難した話、そしてあの有名な佛教語大辞典の原稿紛失事件など、学者・研究者はいつの時代もデータの紛失という災難に付き纏われるものなんですね…。今はその頃と時代は違いますが、デジタル化されたデータというのも考えてみればかなり危ういものなんで、結局やってることは同じですね、と妙に納得。

この本の中で印象に残ってるのは、勉強を勉め強いることだといっておられたことでしょうか。勉め強いることのなかに楽しみを見出したとき、道は拓けると。私の場合、仕事中に違った意味で「勉強してください」とよく言われますが…(笑)、違った意味?と思いきや、要は商売をする上で、勉め強いること、つまり営業努力をすると考えれば、同じことですね!


ともかく、本書の後半部分では、博士の全著作リストが挙げられてますが、今まで見たこともないよう本(例えば、Motilal社から1973 年に出た「A Companionto Contemporary Sanskrit」とか)あって、へぇーという感想を持ちました。そういえば、ちょうど先日、決定版・中村元選集のバラがまとまって入荷しました。そして、岩波からは『インド哲学思想』全5巻が復刊されるそうですし、生誕100年にちなんだイベント等に注目ですね。

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