唯識三年、倶舎八年

仏教は宇宙をどう見たか: アビダルマ仏教の科学的世界観 (DOJIN選書)先日買ったこちらの本、早速読んでみましたが、一般向けの本ということで、非常に明快で、すっきりと読めました。印象に残るのは、仏教でいう業の理論と現代科学のカオス理論とがシンクロしているというところですね。意外と人類は古代からいわゆる複雑系というものを研究してきたのかもしれません…。


あと、本書の中でも触れられていますが、倶舎論の有名な三世実有の時間論を説明する際に用いる、あの映写機のモデルですが、それって、明治期の仏教学者・木村泰賢によって用いられるようになったのですね。しかし、インド人僧侶が考え出したこの三世実有という特殊な時間論の説明が、映写機をモデルにすると見事に分かる!というのも、映画好きなあの国民性を考えると、これは、案外古代インドに映写機があったのではないか?というトンデモ説を考えたくもなります(笑)。


倶舎論繋がりでもうひとつ。これもよく言われる“唯識三年、倶舎八年”というフレーズですが、これはいったいいつ頃、誰によって言われ出したのでしょう??また、本来はどういう意味で言われたのか?その辺も気になります。唯識は三年でマスターできるのに対して、倶舎論は八年もかかるという意味なのか、あるいは、倶舎論を八年かけて学べば、唯識は三年で済むのか。その名もズバリな「唯識三年、倶舎八年考」という論文がありますが、よく分からないようですね。

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私も倶舎論はやらないとなぁ…。