古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

在野研究の難しさ

久しぶりの更新となります。関東は今夏は暑い日が続いておりましたが、8月の最終週になってその暑さもあっけなく終了。そんななか印仏学会がありましたが、拝聴してまいりました。「新しい視点からのスティラマティ研究」など興味深いテーマもありました。スティラマティは果たして一人だったのか?「註釈家スティラマティ」という“肩書き”も面白いと思いましたが、文献によって言ってることが異なるというのを同一人物と考えていいのか?そもそもなにをもって同一人物と考えるのか?色々考えるべきところがあるので、興味は尽きませんね。

さて、自分の方はしばらく前からあることを調べていたのですが、なかなか思うような結果を得られず、そのうち気持ちの方がめげてきて、こんなこと調べてて意味あるのか?、無意味なことを延々とやっているのではないか?…という自問自答の日々が続いておりました。というわけで、ここも放ったらかしになってしまったというわけですが(^^;;

やっと最近になってその長いトンネルを抜けることができ、目途は立ったのですが、一応大学に属してるとはいえ、通信の場合、限りなく在野研究者に近いので、往々にしてこんなことになります。

最近こちらが出ましたが、めげていた自分にぴったりだったので、早速買って読ませていただきました。あと最近En-Soph : 在野研究のススメというのも見ました。主婦をしながら研究を続け、あの人文書院から個人全集を出すにいたった吉野裕子、納豆売りをしながらの研究生活をした相沢忠洋、家族に寄生するのではなく、家族を養う生活費を稼ぎながら勉強を続けた、在野研究者の王道・三浦つとむ等、数々の在野研究者の系譜を見て、またやる気が出てきました。近年はネットでの情報発信や、電子テキスト等々、在野研究者を取りまく状況は格段に進歩した感もありますが、モチベーションを保つというのが一番難しいことかもしれませんね(^^;;そういう意味では学会に参加するだけでも、在野研究者にとっては貴重な経験ですね。今回もそう思いました。