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ランカーの場所についての諸説

龍樹と龍猛と菩提達磨の源流 サータヴァーハナ王朝・パーンドゥ王朝・ボーディ王朝ランカーの場所については、今までここで触れてきましたが、先日こちらの本を書店で見かけ、立ち読みしているとその辺について結構触れられていましたので、購入して飛ばし飛ばし読んでみました。この本は佐々井氏の口述をもとに書かれているので、註記が全くなく、参考文献等が示されていないのですが、その辺は自分で調べて参考にさせていただきました。

ランカーの場所をめぐっては諸説紛々といった感じですが、ともかく、「ランカー≠セイロン島」と考える研究者は多いようです。

佐々井氏の説ですが、氏はランカーを町というよりも国・地域として考えているようで、それはヴィンディヤ山脈以南の中部インドであり、その中心部がナグプール周辺地帯じゃないかというもの。氏の言う、ヴィンディヤ山脈以北をブラフマ・ヴァラタ(国)あるいはアーリヤ・ヴァラタ、そして以南をランカー・ヴァラタと呼ばれていたという指摘は、興味深いところです。その説に従えば、「ランカーに入る」という経典名も、原住民が住む(差別的なニュアンスも込められた)地域へ入るということを意味することになってきます。アマラカンタカをランカーとしている研究者もいますが、佐々井氏はそれ以南一帯をランカー国とみているようです。


この他にも、例えば、ゴーダヴァリー盆地説やモルディブ説などもあって、真偽の程はよく分かりません。セイロン島でないとすれば、中~南インドにかけての可能性が高いということなんでしょうが、ともかく、そこにおける上座部教団、それも保守派からみれば割と自由な、例えばヒンドゥー教とも融合したような大乗上座部、そこに所属する僧侶たちが楞伽経の作者といえるのではないか?一応、現段階における(個人的な)結論としてはそうなります。

The Geographical Dictionary: Ancient and Early Medieval India

The Geographical Dictionary: Ancient and Early Medieval India

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