古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

エピローグ、そして新たなスタート

博士(文学)の学位を取得できましたので、このブログにはここで一旦区切りをつけたいと思います。

 

途中、放置していた期間が何年もあって、ダラダラと約20年以上続いてきたこのブログ。今は殆ど読んでる方もいないと思いますので、わざわざ断わることもないのですが…。

 

20年以上も経つと、時代も変わってしまいました。ブログを始めた当初はまだ社会人大学院というのはあまり聞かなかったように思いますが、今はすっかり定着しています。先日の生涯学習財団様での授与式でも言及されてましたが、この20年間で生涯学習という言葉の意味が変わったように思います。昔は、定年後の楽しみみたいな印象がありましたが、今は、仕事をしながら、まさに生涯をかけてやる研究です。

 

その意味で、私も一生涯、勉強を続けていくつもりですので、今後は新たなブログで発信していきたいと思います。

 

生涯学習の実践者として、在野研究者として。

furuhon-ya.hatenablog.com

博論の書籍化について

最終選考に合格した博士号支援事業の授与式に出席してきました。

 

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今回は、私を含めて7名の方が選出されました。選考決定証と目録の授与の後は、その方々と歓談の場もありました。あとはインタビューと写真撮影がありました。 

 

助成金をいただくことになり、博論の書籍化を考えています。

 

当初の考えでは、偈頌品全体の校訂テキストを巻末に付けることを考えていたのですが、それは分量的にも、私の能力的にも、現実的ではないので、私が博論で引用した部分だけでもきちんと校訂すべきだという風に考えを改めました。それは口頭試問の際に指摘された点です。

 

経典の引用文はすべて、全写本を見た上での校訂されたものなのか?そこが不明確であると口頭試問で指摘されました。実際、一部、写本を見たところはあったのですが、そうでないところもあったので、そこは改めた方がいいのでは、と。

 

この点は、考えてみれば当然のことなんですが、私は、偈頌品全体の校訂にばかり気を取られ、そのことで頭がいっぱいで、口頭試問で指摘されるまで上記の点に気づきませんでした…。

 

その他にも要修正部分がありますので、博論の改訂版として完成させたいと思っております。

学位授与が決定しました!

指導教員の先生から連絡があり、正式に博士号の学位授与が決定したそうです!

 

3月25日が学位式になります。

 

月曜日なんで、店を休まないとなりませんが、せっかくの機会なので、出席してこようかと思います。

最終選考結果

先週、最終選考の面接を受けてきました。

furuhon-ya.hatenablog.jp

 

結果は合格。助成金を支給していただくこととなりました!

 

3月15日が授与式となりますので、出席してきます!インタヴューや座談会もあるそうです。

 

面接では、同じく社会人博士課程から学位を取得された植木先生の話にもなりました。そのご活躍は周知の通りですが、植木先生のように、経典の現代語訳等を出版して、今後も研究を継続していってくださいと言われ、すごく恐縮してしまいました。

 

私の場合、植木先生の足元にも及びませんし、博論を書きあげるまでに10年以上もかかったこと、そしてその博論にしたって、誤記誤訳が沢山あって、精度としては残念な部分が多く、正直、自分は研究には向いてないのかなと思っていたからです。そんなわけで、学位を取ったら研究には一区切りつけて、その後は、仕事や違う趣味の方に注力しようかと思っていました…。

 

しかし、これじゃあ辞められませんね(笑)。

 

植木先生といえば、こちらの本は是非とも買っておきたいのですが。

 

 

値段も張りますが、それに見合う価値があると思いますので。

一次選考通過

以前こちらでも紹介したこちら。

furuhon-ya.hatenablog.jp

博士号取得支援事業 – 生涯学習開発財団

 

昨年の11月末が締め切りで、博論を出した後に応募してました。

 

で、その書類選考の結果、一次選考を通過しました!

 

今週、二次選考の面接になります! 

 

果たしてどうなるか…。

口頭試問に行ってきました

口頭試問ってどんな感じかよくわからなかったので、対策もしようがなく、何となく当日を迎えてしまいました。ネットで見ると、厳しい質問が次々と浴びせられ、答えに窮してしまう…そんな恐ろしいイメージを持ってましたが😅そんなことは全くなく、終始和やかな雰囲気でした。

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流れとしては副査、主査の先生からそれぞれ30分ずつの質疑応答という形で進み、最後に主査であり指導教員である松田先生から総評をいただくという流れでした。

 

まず最初は、副査の上野先生からです。初めに総評をいただきましたが、そこで、楞伽経の「偈頌品」という今まで研究が取り残されてきた部分に対して、果敢に(≒無謀にも?😆)挑戦したことを評価していただいて、その言葉でこれまでの労力が報われた気がしました。非常に嬉しかったです。

 

あとは要訂正箇所を指摘され続ける。単なる誤植もありますが、誤訳などを細かくご指摘いただきました。付箋がビッシリ付けられ、コメントを書き込まれた印刷本を終了時にいただきましたが、これも非常に嬉しく思いました。感謝しかありません!

 

次は細田先生です。細田先生からは、私が注目した表現と同じものが他の文献中(ウパニシャッド)に現れている例をご教示いただきました。これは、全く知らなかった点で、驚くとともにこれも大変嬉しく思いました。あとは、私か見落としていたことに関する重大なご指摘も。

 

それは確かにそうだよなという気づきをもらい、もし仮に出版する場合はそこは直さないといけないことを痛感しました。その意味で大変ありがたいご指摘でした。

 

総じて申しますと、細かな点で修正すべきところが多々あるので、そこは残念でしたが、ま、それは自分の能力ですので、仕方ありません。それ以外では評価していただいた部分もあったかなという印象です。とりあえず、ネットに公開される前に、誤植だけ直したいと思います。内容は変えられないと思いますので。

 

 

というわけで、無事に終わってホッとしました。