古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

50音図と法華経

前回の話のついでに。50音図はサンスクリットの音声の分析、つまり悉曇学にその起源があるそうです。そして、今日に伝わる50音図の基礎は11世紀天台宗の僧侶・明覚にまで遡ります。その時代も、仏教は梵語を学ばないと本当のところは分からない…というのがあ…

ん−日本語最後の謎

先日発売された『ん−日本語最後の謎』を読んでみました。それにしても、通勤電車内・新書読書記録の様相が更に濃くなってきつつある本ブログですが(苦笑)、本業の勉強こそ身を入れてやらなければならないとは思いつつも、ついつい買ってしまうんですよね。…

ブッダはなぜ女嫌いになったか

先日こちらの本を買って、とりあえずちょっと読んでみました。悩める王子シッダッタは愛に苦しみ、愛念のあやまちを犯し!?、その苦しみの末に覚者となるわけですが、覚者となった後、彼は徹底して女性に対する警戒心、恐怖感を持つといいます。女性の出家に…

陰陽道

こちらの本をたまたま入手して、電車内で読みました。1400年にわたって日本・中枢を支配し、陰陽道によって日本が形づくられたという著者による陰陽道・入門書。陰陽道といいますと、「天円地方」という思想的原理がありますが、日本古来の神社や古墳にその…

偈頌と長行

先週くらいから修論についての勉強で唯識の参考書を再読しつつ、『楞伽経』を偈頌品の方から、とりあえずはテキストの入力作業をしてました。計画書を出す段階ですでに入力してはいたのですが、まだまだ下準備をこなさねばならないといったところです。『楞…

心と身体,自然

以前買っておいて、読むのを忘れてたのを最近読みました。個人的に面白いなと思ったのは、「自然について−自己と環境の哲学」の部分でしょうか。そこでは、竹村先生のご専門のひとつである唯識思想の自然観を基にして、天台宗の「草木国土、悉皆成仏」や空海…

葬式は、要らない?

先日、通勤電車用にこちらを購入。直葬とか耳にすることが多くなった昨今ですが、これからは仏教式で行う出費が嵩む葬式というのがもっと見直されていくのかな・・・と考えてしまう1冊ではあります。葬儀平均費用が、231万円ですからねぇ…(苦笑)。本書では、…

新しい入門書

出たばかりのこちらの『サンスクリット語・その形と心』を購入してしまいました。文法書はすでに辻文法と菅沼文法の3冊を持っていますので、とりわけ買う必要もないのですが、何となく買ってしまいました。それは、本を開いた第一印象が、その二著とは違っ…