古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

世親複数説

先日、こちらの本を買いまして、早速読んでおります。 虚妄分別とは何か: 唯識説における言葉と世界 作者:信千代, 小谷 法藏館 Amazon 婆藪槃豆伝 インド仏教思想家ヴァスバンドゥの伝記 作者:船山 徹 法蔵館 Amazon ヴァスバンドゥ伝、今まで真面目に読んだ…

久しぶりの本学

昨日は論文中間発表会に出席するために、久しぶりに京都の本学へ行ってきました。調べてみると2年4カ月ぶりでした。家から片道4時間。 午後から開始でしたが、図書館に用があったので、11時くらいに到着。 図書館でコピーカードを買おうと思い発行機を探して…

回り道も必要

4月に入学してから3か月が経過。この3か月の成果としては、論文の構想が固まったことでしょうか。何とか固まってきました。写本の読解についてはそれほど進まなかったですね。 あとは、時間の使い方は試行錯誤の繰り返し。アイデアや考えを練る時間というの…

買い替え!?

先日twitterで知ったのですが、こちらの本、第二刷、三刷で結構な量の訂正が入ったようですね。 龍樹『根本中頌』を読む 作者:桂 紹隆,五島 清隆 春秋社 Amazon 『龍樹『根本中頌』を読む』について - 春秋社 ―考える愉しさを、いつまでも 私が持っているの…

貴重な復刊!

今まで、長らく絶版となっておりましたこちらが、ついに岩波文庫で復刊されることに! さとりへの遍歴―華厳経入法界品〈上〉 中央公論社 Amazon これは買わないと…。 *1 (岩波文庫, 青345-1)" title="梵文和訳 華厳経入法界品 *2 (岩波文庫, 青345-1)" /> 梵…

研究の醍醐味

テキストの校訂作業を進めております。現状の唯一の校訂本とその誤植を訂正したといわれる本を見ながら、現状で見れる東大所蔵の複数の写本の読解を進めてるんですが、やっていくうちにその校訂本について、疑問に思うことが多くて、頭を抱えることがしばし…

覚悟を決める(笑)

以前書いたドイツの写本の件ですが、新年度になりましたので、その個人研究費を当てて複写を頼みました。 furuhon-ya.hatenablog.jp しかし!個人研究費というのは、私の場合、全額をカバーできるだけの額ではないので、あとは自腹です(苦笑)。 と、そこで…

仏教書の新刊

3回目の緊急事態。大学図書館に行って、色々と入手したい資料があるのですが、都内の大学図書館は、一般人・卒業生は利用できず、結局、本学の図書館の複写郵送、送本サービスに頼るしかなさそうです。できるところを進めてますが、この先、スクーリングや発…

チベット語入力

久しぶりにチベット大蔵経を見たら、あまりに字が細かくて、目が疲れるので結局自分で入力してます。たしか、以前もそうやって読んでいましたね…。 བློ་གྲོས་ཚེན་པོ་བྱིས་པ་སོ་སོའི་སྐྱེ་བོ་རྣམས་ཀྱིས་རང་གི་སེམས་སྣང་བ་ཙམ་དུ་མ་ཆུད་བ་དང། བྱི་རོལ་གྱི་དངོས་…

論文構想を得る

引き続き、こちらのシリーズを丁寧に読んでます。 智慧/世界/ことば: 大乗仏典I (シリーズ大乗仏教) 発売日: 2013/05/17 メディア: 単行本 こちらの巻頭に収められた下田先生の論考、とりわけ仏塔をめぐる最新の研究成果の紹介のところは興味深く読ませてい…

最後の三年がスタート

再入学面接は無事に終わり、結果の通知がきました。 さぁ、ここから! 一月から、以前読んだシリーズ大乗仏教をもう一度最初から読み返してました。研究からちょっと離れてたのもあって、忘れていたことも多く、ノートにまとめながら丁寧に。 結構な読み応え…

再入学の面接はオンラインで

今月、再入学の面接が行われますが、緊急事態宣言の延長に伴い、面接をオンラインで行うとの連絡が事務局からありました。京都までの新幹線代が浮いたので、助かりました(笑)。ただ、図書館に行っていろいろやろうと思っていたことがあったので、そこはちょ…

2021年の目標

今年は、4月から再入学の予定です。もう後がないだけに、できるだけのことはやっていきたいという心境です。 いうわけで、今年の目標。 1.論文1本投稿 再入学すると、学内の発表会での発表がノルマとして課せられるはずなので、その発表をたたき台として、学…

サンスクリット・トレーニング

平岡先生のサンスクリット・トレーニングですが、版元の世界聖典刊行協会が解散になって、とりわけ1巻目が絶版となり、入手できなくなっていましたが、このたび山喜房さんから新装版として復刊されてます。 しっかり基礎から学ぶサンスクリット 上巻 作者:平…

50歳からの博士号取得!

たまたまtwitter経由で知ったんですが、こういうのもあるんですね~! www.gllc.or.jp 50歳以上というのが珍しい。 やる気出てきました!

在野研究者の悲劇

来年度から、院に復帰する予定ですが、今現在の身分はどこにも所属してない在野研究者です。本を買うのも、学会に行くのも全部自腹です(笑)。 私が読んでいるテキストの写本はドイツのハンブルク大学に24種類保存されてることが分かってます。ネット上で公…

写本の系統

5月の連休以来ですね(^^; その間に、こちらの本を購入して読みました。薄い本ですが、結構高かった…(^^; Textual Criticism and Editorial Technique (Teubner Studienbuecher Philologie) 作者:WestProf. Dr., Martin L. 発売日: 1973/01/01 メディア: ペー…

satva or sattva ?

GWは、仕事に行く以外は基本的に部屋に籠って勉強です(^^) 連休中、twitterで知ったこちらの船山先生の論文を読みました。 それと関連するこちらの論文も。 zenodo.org 一般的にネパール系の写本ではsattvaやtattvaなどをsatva, tatvaと表記しているようです…

外出自粛!

緊急事態宣言が出され、異常な事態になっております。いろいろと心配なことが増えますが、こういうときは、今までサボっていた勉強をするにかぎるということで、自室にこもって作業する時間が増えました。 現在、各写本の異同をすべて見た上でのクリティカル…

声の文化と文字の文化

こちらに所収されている「大乗仏教の成立」では、下田先生が大乗経典の起源について書かれてます。 世界哲学史2 (ちくま新書) 発売日: 2020/02/06 メディア: 新書 大乗仏教の起源については、いまだ定説がなく、学会でも議論が盛り上がってます。これまでの…

再出発~再入学へ

私が所属していた大学院の規定では、単位取得満期退学後3年以内に博論を提出できない場合は、(課程の4年目に)再入学できることになってます*1。私は来年度がその満退後の3年目になり、博論を提出するか、改めて再来年度に再入学を目指すか、という選択をす…

2月の読書

世界哲学史シリーズ、楽しみにしています。2巻目まで読みました。 www.chikumashobo.co.jp 1巻目。個人的には、やはり『ミリンダ王の問い』ですね。ギリシア王メナンドロスと仏教僧ナーガセーナ長老の問答。現存しているのは仏教経典としてのテキストで、そ…

研究の進展⁉

私が読んでいた貝葉写本ですが、途中から別の経典に入れ替わっていて、それが何の経典か分からず、考えながら、ずっと調べていました。大乗経典だというのは分かるんで、何だろうと思って…。 画像の一番上一行目からですが、evam mayā śrutam ekasmin samaye…

写本の調査

私の読んでるテクストは、写本が多くあります。唯一の校訂テキストが参照していないものも多い上に、その校訂テキストも厳密に各写本の異同について記していないため、いちいち各写本を見る必要があります。 東大にあるものだけでも13種あり、それ以外にもイ…

「あさって」の方へ

久しぶりの投稿となります。 正直、こちらのブログはもう辞めようと思っておりました。同時に博士論文の方も…。満期退学後、研究員となりはしたものの、思うように研究時間を確保できず、時間ばかりが過ぎ去っていく中で、研究に対する意欲が著しく低下して…

ガンダーラ 仏教文化の美と形 

松戸市立博物館で催されている特別展「ガンダーラ 仏教文化の美と形」に行ってきました。 内容は、龍大はじめ国内にある、数々の所蔵品を集めて展示されていて、なかなか興味深いものでした。松戸市でもいくつか所蔵されてるんですね。なかには、撮影OKのと…

仏教論争

気づけばもう6月も終わりですねー。 印仏研には、去年に続いて発表の申し込みをしましたが、またも不採択でした…(^^;;というわけで、大学の紀要に申し込もうかと思ってます。 さて、最近読んだ本で面白かったのはこちら。 仏教論争 (ちくま新書) 作者: 宮崎…

インド哲学10講

GWにこちらの本を読みました。 インド哲学10講 (岩波新書) 作者: 赤松明彦 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2018/03/21 メディア: 新書 この商品を含むブログを見る インドで、ウッダーラカ・アールニによって、哲学的思考が始められたのが今から2,500年…

新羅神社と古代の日本

先日、たまたまこちらの本を入手しまして、ぱらぱらっと読んでみました。 新羅神社と古代の日本 作者: 出羽弘明 出版社/メーカー: 同成社 発売日: 2016/08/10 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 日本の神社の成り立ちに深く関わっているといわれ…

福岡生命科学で読む西田哲学

こちらの本を読んでみました。 福岡伸一、西田哲学を読む――生命をめぐる思索の旅 動的平衡と絶対矛盾的自己同一 作者: 池田善昭,福岡伸一 出版社/メーカー: 明石書店 発売日: 2017/07/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る 実は発売された…