古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

インド人の想像力

仏教を勉強してると、インド人の誇大な考え方についてよく笑ってしまいます。

例えば、「劫」という単位。想像を絶する長さ、ということですが、1劫が具体的にどれだけの長さかという譬えで、インドらしい譬えがあります。インド人の王様が象に乗って一日軍を進軍させる距離があるとします。それは、一日におそらく20キロとかせいぜい30キロくらいだと思うのですが、その距離を縦、横、高さとする大きな岩があるとします。その岩に百年に一度、天上界から天女がやってきて、そのたびに軽やかな羽衣でその岩を一撫でします。それで岩がどれだけ擦り減るかはわかりませんが、その岩が完全に擦り切れるまでの時間というのが1劫なのだそうです。

まだあります。象で一日進む距離を縦、横、深さとする大きな枡があるとします。そこへまるで粉のようなケシの実をやはり百年に一度一粒だけいれていき、満杯になるまでの時間がやはり1劫だそうです。

で、それは、菩薩の修行の段階(十地)の一番初めの段階に入るのに1劫かかるのです。
いやはや。。。やれやれ、という感じです。