古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

前回の顛末

前回チベット語の予習をして、上手く訳せなかったという話の顛末。

「'phags pa spyan ras gzigs dban pyug」

これ、「観世音菩薩」ということなんですが、初めは、一語ずつ直訳して「聖なる目によって見られた力に富んだもの」?となってしまったり(笑)。そういうのの連続で時間ばかりが過ぎ去っていったのでした。

まだまだ、道のりは険しいですねぇ(笑)。でも、辞書の引き方とか色々丁寧に教えてもらいまして、何とか分かった気になる。曲者は助辞(於格・具格)とか動詞ですか。辞書によっては載ってないのもありますが、とにかく辞書で複合語を丹念に見るしかないでしょう。

そういえば、『王統明示鏡』(1368年)というのは、漢訳の一切経に入ってるのは、『大乗荘厳宝王経」だそうで、『宝篋経』とも呼ばれるもので、インド起源のジャータカなんかが元にあるようです。ジャータカっていうのも元々インドの古い説話にまで遡れるのでしょうから、起源はかなり古いものなんでしょうね。

『プトゥン仏教史』、『赤冊史』(『紅史』)とともに、チベットの三大仏教史のひとつにも挙げられるようで結講有名なものらしいです。もっとも、チベットにおける仏教史っていうのも色々あるようですけど。

有名なチベットの祖先の猿と魔女の伝説のお話も、この本の中に出てくるようです。