古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

科学と仏教の接点

昨日は駒場の方で、「科学と仏教の接点」という公開講座があったようですね。実は3日前くらいにそのことを知ったのですが(笑)、もともと昨日は予定があって、行くことは叶いませんでした。あるいは、要予約ということですので、私が知った時点で既に定員に達していたのかもしれませんね。いずれにしても、脳認知科学と仏教…なかなか興味深いテーマです。

現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))

現代語訳 般若心経 (ちくま新書 (615))

科学と仏教ということで、私の頭に思い浮かぶのは、前にサラッと読んだこの玄侑さんの本です。般若心経を現代の量子力学とかの解釈を参考にして、解説されてます。その本にもありますが、「諸法空相、不生不滅」というのは、あらゆる現象が生じたり滅したりするように見えるのも、脳内に現われた錯覚であると(現代的には)理解できるのかもしれません。ましてや善悪、美醜といった二元論的構造も大脳皮質によるでっち上げ、または虚妄分別(abhūtaparikalpa)といってもいいのかもしれませんね(笑)。言うまでもないことですが、仏教でいう「分別」(vikalpa)も二つに分けて(vi)考える(kalpa)という二元論的思考原理なわけですし…。そうした視点で、最新の認知科学を読んでみるのも面白いのかもしれませんね!?
「見る」とはどういうことか―脳と心の関係をさぐる (DOJIN選書 7)