古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

『法相二巻抄』の世界

唯識とは何か―『法相二巻抄』を読む

唯識とは何か―『法相二巻抄』を読む


こちらは、鎌倉時代の法相宗の僧・良遍が著わした『法相二巻抄』という唯識の入門書を解説したものです。『観心覚夢鈔』*1とともに、唯識の入門書としては有名なものです。そういえば、持ってなかったので、注文しておきました。横山先生のは唯識の哲学 (サーラ叢書 23)を読みましたが、分かりやすい解説だと思います。

サンスクリットの勉強のため、院になってから梵文『唯識三十頌安慧釈』を読んできました。ここ数ヶ月は休止状態だったのですが(汗)、心を入れ替え、最近は暇を見つけては読むようにしてます。やっと三性説のところ(第二十頌)になりまして、最後までもうちょっとです。

通常サンスクリットの読本ということですと、LanmanのA Sanskrit Reader: Text,Vocabulary and Notesを使うのが定番のようですが、私の場合は唯識の勉強を兼ねて、『三十頌』を読んできました。とはいえ、伝統的な法相教学も参照しなければ…という思いがあって注文した次第です。

前にも書きましたが、本当はチベット訳も参照したいところなんですが…。

*1:解説書としては、[asin:4393132459:title]