昨日は台風接近で一日雨なためか、暇でした…。同業各書店のブログを見ても、大体どこも!?同じような感じもしなくはない(笑)。
最近こちらの本を古本で入手。講談社メチエにしてはちょっと厚めな感じで、読まれた方も多いとは思いますが、ガンダーラ仏教美術に関する入門書としては好著だと思います。仏像の起源説については、インド・グリーク起源説を唱えるフーシェ説から、マトゥラー起源説、ローマ美術の影響説、マーシャルや高田説など、これまでの研究の流れが整理されているところも、門外漢な私にとっては分かりやすいです。
それまで象徴的表現でのみ表わされていた仏のイメージが、どうやって人間像として生まれたのか。それが、ブッダが一度も訪れることのなかった地域で、ギリシア・ローマ、イラン系中央アジアの各要素をミックスして造られたものが仏のイメージとなっていったというのですから、その辺に面白さを感じてしまいますね。
この著者の方の本で、『涅槃と弥勒の図像学―インドから中央アジアへ』という本を知人の方から頼まれているのですが、なかなか出てきませんな…。