古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

大正蔵

そういえば、先日、大正蔵の普及版(88冊)が入荷いたしました。インターネットで、見るだけでなく検索も出来るようになった昨今、古書として販売するのは以前に比べて難しい状況になりつつあります。古書市場でも前はかなり高かったんですが、最近は……。


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元版の豪華版(背革装)のには負けますが、こうして巻数順に全巻並べてみますと圧巻です。うちの店は狭いスペースなんで、店頭に陳列するわけにはいかず、倉庫でその威容を示しておりますが(笑)、こういう大蔵経を店に並べておけばお客様は仏書専門店らしさをお感じになるはずです。


最近は、ディスプレイ用古書というのが古書業界ではよく言われます。とりわけ洋書の分野では。そういうのは本の中身は二の次で綺麗な装丁ものを、例えば、テレビ番組のロケに使うため、あるいはマンションのモデルルームに置くためなどに、割安に販売するというものです。


仏書を扱う古本屋にとって、そういうのとは逆の意味で、大正蔵は究極のディスプレイ用古書と言えるのかもしれませんね。何せ、世界に誇る仏教典籍の集大成、世界で最も権威ある一大叢書ですし、新刊定価も1,564,500円とその内容に見合うほどの金額ですからねぇ。


もちろん、お客様がディスプレイ用にお買い求めいただいても一向に構いません(笑)。