古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

もう5月も終わりです

今月はあんまり勉強が進まなかったような…。『菩薩地』「真実義品」を少し(引用部分が中心ですが)読んだというのが数少ないの収穫の中の一つかも。『般若経』では、「清く輝く心」という積極的な表現で最高の真実を語ってるところがありますが、勝義的存在は空性であって、縁起的あり方を離れた最高なる真実というのは「概ね」否定されていたはずです。しかし、後々に最高の真実を肯定的に表現し、その実在が認められるようになってきます。それが『菩薩地』のvastuであり、如来蔵でもあるわけです。そこで、唯識も如来蔵も説く『楞伽経』は『菩薩地』と何らかの関係があるんじゃないか?というのがそもそもの出発点でもあったのです。その点については共通点を見出し(たつもりなんですが)、あとは唯識経論との関係性について見ておかねば…という状況です。


さて、4月から刊行が始まった新アジア仏教史ですが、今月の第二回目は、「漢字文化圏への広がり」ということで、朝鮮半島とベトナムについての巻です。あとは日本・中世仏教。恥ずかしながら、ベトナム仏教について私はほとんど知りませんが、ネットで見る限り、初めはインド経由で仏教が入ったようですが、後に中国の文化圏となってからは中国(禅宗・浄土系)経由の大乗仏教中心の国のようですね。東南アジアということで、上座部系と思ってしまいがちですが、漢字表記の経典も用いられ、道教との習合もあるようです。考えて見ますと、ベトナムの仏教についての本ってあんまり思い浮かびませんし、朝鮮半島についてもベトナム同様な無知な私にとっては、この本は読まなければならないでしょう。ま、時間と財布に余裕ができたら…なんですが、是非購入してみたいです。

漢字文化圏への広がり (新アジア仏教史10朝鮮半島・ベトナム)

漢字文化圏への広がり (新アジア仏教史10朝鮮半島・ベトナム)


ベトナムというと、私にとってはこの方の本がすぐに思い浮かびますが、こちらは前から読んでみたいと思っている本。絶版のようで、あんまり見たことないんですよね。

禅への鍵

禅への鍵