正月休みからこちらを少しずつ読んでました。きっかけは、以前、こちらを見て興味を持ったからなんです。聖徳太子をめぐっては、いろいろな方がいろいろなことを言われていて、私などの門外漢にはよく分からない部分が大きいのですが…。確かに、この本では想像で論を進めていく傾向が読み取れて、その辺には違和感を覚えました。特に、道慈が『日本書紀』編纂に関わり、聖徳太子関連の記述をしたという点など。上記リンク先の石井先生によれば、大山先生が前提としている藤枝晃先生の『勝鬘経義疏』中国撰述説も成り立たないそうですし、そういう意味で、聖徳太子架空説は再考されるべきなんでしょうね。
ともかく、今後もこの聖徳太子架空説・実在説論争については、目が離せないところですね。
個人的に、聖徳太子については、中村元先生の本が印象にあります。この選集に収録されているのでしょうか。
- 作者: 中村元
- 出版社/メーカー: 春秋社
- 発売日: 1998/07
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聖徳太子とほぼ同時代にチベットではソンツェンガンポ王が現われ、聖徳太子同様に、仏教を導入してチベットに強大な統一王国を建国し、17条憲法とほとんど同じ内容の16条の憲法を作ったという。それは、単に偶然というよりも、6〜7世紀という時代は、世界史的な視点から見た場合、そうした転輪聖王級の偉大な王が必要とされていた(あるいは作り出された!?)時代であったということ。もっといえば、そういう大王像を生み出す、何らかの共通のイメージがあったということになるんでしょうか?興味深いです。