古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

壺月全集

先週一週間は、殆ど店にいなかったので、それ以前に買っていた本が結構たまってます。今週はそれらの整理週間と決めました。


まずは洋書。洋書は西洋古典の口です。哲学の蔵書が大量に市場に出て、その中から、古典関係を少々入手しました。西洋古典といえば、おなじみのLoeb Classical Libraryも2,30冊ほど入ってます。古本屋の間ではロエブと言ってまかり通ってますが、正確にはローブのようですね。「紳士のポケットにちょうど入るサイズの手ごろな本」という謳い文句で、ギリシア・ラテンの古典が原文・英訳対照になっているこのシリーズ。学生さんによく売れる本です。こういうのでインドの古典も出ればいいのに…と思ってしまうのは私だけでしょうか?文庫本サイズで、サンスクリットと英語の対照シリーズとか出たら、ある意味感動ものかもしれませんね。マハーバーラタとかすごい冊数になってしまったり!?


次は、仏教関係。ちょっと前の市場に、たしか石材店か詳しくは失念いたしましたが、そういう筋の方の蔵書で、梵鐘とか板碑とかの本が出たことがありました。とりあえず、買ってみたのですが、ビジネス教育出版社とか初めて聞く名前の出版社さんのが入ってました。他にも少々買ってますが、その中に渡辺海旭の壺月全集2冊も入ってました。函入りで、入札の時は中を確認しなかったのですが、今日函から出して見たら2冊のうち1冊の表紙がムレて変色している…。こういう場合、“事故”として値引や返品等できるのですが、その期限は1週間以内というのが決まり。ま、しょうがないです(苦笑)。昭和8年の本なんで、なかなか良い状態のはありません。何となくそんな予感はしていたんですが、ともかく表紙を直さないとこのままじゃ売れませんねぇ…。

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渡辺海旭といえば、ちょっと前にこちらの本が出ていました。古梵文の研究から社会事業、あるいはその人脈など興味深い方ですので、時間ができたら、読んでみたいですね。

紫雲の人、渡辺海旭―壼中に月を求めて

紫雲の人、渡辺海旭―壼中に月を求めて