古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

増谷文雄 阿含経典

ついに、ちくま学芸文庫より増谷文雄・阿含経典が復刊されました。1冊、なんと1,890円!

元版は、古本屋にとってはお馴染みのもの。増補版の全6冊セットは結構珍しいものの、4冊のはよく見かけます。今まで幾度となく取り扱ってまいりました。元版の印象としてはどれもヤケている感じですね。函もそうですが、本の頁も。きれいなのはあんまり見たことがないです。

この文庫化のニュースを見た瞬間、ただでさえ下落傾向が止まらない元版の古書価がさらに下落するのではないかという落胆やら失望やらが入り混じった深いため息をついてしまったのは古本屋の私だけだったかもしれません・・・(苦笑)。人気があるこの訳文ですから、文庫化はむしろ喜ばしいニュース(のはず)ですからねぇ。

これからこういうことは多くなってくることと思います。古本の買取や値段付けもそういった事態を十分に考慮しないとならない時代になりました。自戒をこめて(苦笑)。