古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

ダイジェスト版

通勤電車内でこちらを読みました。実は某サイトのポイントが溜まっていたので、それで買わせてもらいました。


ざっと読む限り、佐々木先生のこれまでの本のダイジェスト版という印象。とりわけ、本書の第5章(5時限目)は『インド仏教変移論―なぜ仏教は多様化したのか』の完全な要約になってます。その内容については、ネット上で検索するとすでに結構書かれていて、それだけでも知識が得られてしまいますが、結構なお金と読みとおすには時間を要する大部の学術書の内容をざっくりと読みたい人はこの新書を読まれるといいかも。

しかし、大著である『インド仏教変移論』の方は、大乗仏教の発生に関する新しい視点を提起したというその内容もさることながら、仏教学という研究をどうすすめていくのか、その辺に関して非常に参考になると思います。私自身も、律蔵の分析を通してこういうことが導けるのかと、非常に感銘したことを覚えてます。資料がそう言っている!文献学という学問は、結局それを示すことに尽きるかと思いますが、元の著作を読むことで、その辺のイロハを勉強できるかと思います。

律蔵ついでにいいますと、最近買取に伺った先生の蔵書の中に、こちらが入ってました!!平川先生の著作集は何かえらく高くなりましたねぇ。

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