古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

二楽荘と大谷探検隊展

早いもので、今年も残すところあとひと月となりました。例年通り、今年も慌しい年の瀬を迎えそうな感じです。

f:id:furuhon-ya:20141120170352j:plain:w200:right先日、久しぶりに京都の本学に行ってきましたが、この季節、京都はどこに行っても混雑してましたね。そんな中、午前中に龍谷大ミュージアムで二楽荘と大谷探検隊展を見てきました。以前NHKでやっていたベゼクリク石窟のデジタル復元を見て以来、行ってみようとは思ってたのですが、なかなか時間が取れなくて断念して来たという経緯があります。そういえば、偶然にも京都に行く直前の古書市場で大谷光瑞の『新西域記』、昭和12年刊の大判・函入り2冊が出ていて、手に取って見る機会がありました。これは、何かの暗示なのか!?現物を前にした私は一瞬そう思いましたが(笑)、落札は出来ませんでした。実際の展示ではガラスケースに入れられて、立派に展示されていました。考えてみれば、こうして博物館のガラスケースに入るような貴重な本が、大量の本のなかにひっそりと出されているというのが我ら古書市場の特色であり、それを手に取って見ることができるのは古本屋の特権ですね。それを見つけられるか、見つけたとしても買えるかどうかというのはまた別問題なんですけど…(笑)。


うちの倉庫には光瑞全集がありますが、これは割とよく見るものですね。

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さて、二楽荘展ですが、入り口に探検隊の旅行用鞄がまとまって展示されていたり、建物自体もそうですが、展示のセンスが凄くよかったように思います。その日の朝は、新幹線が遅れて時間に押され気味でしたので、落ち着いてゆっくりと見ることができませんでしたが、それでも楽しむことができました。個人的には、二楽叢書をはじめとした印刷物や、大谷探検隊が残したガラス乾板に興味を惹かれました。直前に新発見のニュースもありましたが、二楽荘という建築物としての側面と、霊鷲山を同定するなど画期的な活動をされた大谷探検隊の事績を辿れる側面など、いろいろな視点から楽しめる展示だったと思います。お勧めです!

二楽荘史談

二楽荘史談


その後、すし詰めになったバスで本学へ。年二回開催されている中間発表会。並川先生はじめ、みなさんの興味深いご発表を拝聴して、今回は私も発表させていただきました。その後は懇親会に向かう途中で、バスを間違えて道に迷って遅れるというハプニングもありましたが、何とか会場へ。先生方と一献傾けながら、発表についてのご感想もうかがうことができ、酔いも手伝って、気分よく夜行バスに揺られて帰ってくるはずだったのですが、安さに惹かれちょっと狭いタイプを予約してしまったので、体が痛くなるわ、酔いも冷めるわで、最後に待ち受けていたのは苦行だったのでした(笑)。