古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

ヴェーダーンタ

いつのまにか新年度となっておりました。仕事の方は年度末だったこともあり、出張買い取りなどバタバタしてました。今月もまた数千冊規模の買い取りが控えておりますので、倉庫整理と店の在庫整理に日々励んでます。

f:id:furuhon-ya:20150402173219j:plain:w160:rightここ最近は専ら印哲関連の本を、分かったような分かってないような、そんな感覚にとらわれたまま、読み漁ってました。先日の村上先生のをはじめ、手頃なものを気づいたものから。英文ですと、Dasguptaの印哲史はボリュームもあって読めそうもないし、店にあっていつでも参照できるので、Frauwallnerの2巻本をとりあえず取り寄せました。村上先生のは索引があるので、気になる単語が出てきた時、調べるのにとても便利。あとは、中村先生のこちらも有益でした。決定版選集もゆくゆくは揃えたいですね。


私が読んでいる楞伽経の成立年代は4世紀~5世紀初頭ですが、その時代のインドといえば、グプタ王朝下に国教化されたヒンドゥー教の影響で、仏教のバラモン教化、ヴェーダーンタ化が進んだ時代といわれてます。アビダルマの多元論から、龍樹を経てアーラヤ識一元論へ、という流れ。楞伽経の如来蔵=アーラヤ識もヴェーダーンタにおけるブラフマンの定義とほとんど変わらないものになってますが、『ブラフマ・スートラ』もその辺りに成立してますし、ヴェーダーンタ一元論化した仏教が接近していた時代といえそうです。前回ヨーガ学派とのつながり云々を書きましたが、その他にもヴェーダーンタとの関係もあって、仏教とヒンドゥー教各派、それぞれの影響関係はどうなってるのか、その辺で何か書けないか、いろいろ考えているところです。

そうなりますと、ちょっと前に復刊されましたこちらの名著が気になり始めてきました。旧版(といっても内容は同じ)はかなり値が下がってきましたので、今が買い時かも(笑)。

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前田先生の『ヴェーダーンタの哲学―シャンカラを中心として (1980年) (サーラ叢書〈24〉)』とともに、こちらも必読か。

ヴェーダーンタ思想の展開―インド六派哲学 (決定版 中村元選集)

ヴェーダーンタ思想の展開―インド六派哲学 (決定版 中村元選集)


とりあえずは、ヨーガ・バーシャを読むとしますか…。