5月の連休以来ですね(^^;
その間に、こちらの本を購入して読みました。薄い本ですが、結構高かった…(^^;
Textual Criticism and Editorial Technique (Teubner Studienbuecher Philologie)
- 作者:WestProf. Dr., Martin L.
- 発売日: 1973/01/01
- メディア: ペーパーバック
校訂作業の基本文献。前半に基本的なレクチャーがあって、後半は実際のテキストが挙げられています。例文がすべてギリシア・ラテンなので、よく分からない面も多かったんですが、基本的な考え方や知識はとりあえず分かったような気がします。
私が読んでいるテキストは、唯一の校訂本が1923年に出た後に、新出の写本が多数あることがわかったのですが、それらの新出の写本をも参照した校訂テキストというのは、部分的にしか出されてません。その研究で参照されている新出の写本は7種ですが、それ以外にもまだまだあるようです。
ともかく、その研究によれば、写本はすべてネパール系で、年代的にも近代になってからのものがほとんど。そのため写本の系統(recension)の相違というのはほとんど考えられないのですが、その中でも4つのグループに分かれるのではないかとされています。
それを踏まえて、私が読んでいる部分からもその4つのグループ分けというのは妥当なのか?という問題意識をもって、現在テキストを読んでいるんですが、注目点としては、誤記になりましょうか。同じ誤記をしているものは、とりあえず同じグループと考えます。しかし、その一方で、そうした誤記を誤記のまま写さずに、訂正しているということももちろん考えられるわけです。あるいは、訂正する際に、他の写本を参照しているということも当然考えられるわけで、そういうのを考慮すると、この作業、そんなに単純なものではないという気がしてきたところです^_^