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荻原雲来と渡辺海旭

荻原雲来と渡辺海旭―ドイツ・インド学と近代日本最近出たこちらの本、早速買ってみました。我が国の仏教学黎明期、多くの僧侶(参照)が海を渡り、イギリスやドイツで梵語や巴利語を習得し、仏教学の基礎を確立しますが、その中の荻原雲来と渡辺海旭という巨人に焦点を当てています。今でこそ、原始仏教、アビダルマ仏教、大乗仏教などという名称が一般化してますが、当時は、まだそういうのも確立されていなかった時代。そんななか、阿含経に光を当て、原始仏教学の確立というのが、大きな潮流としてあったのでしょう。大谷大学には、なんと原始仏教学科というのがあったそうです!ちなみに、もうひとつは大乗仏教学科!


日本語の教科書がたくさん出ている現在とは違って、言語の習得には多大な苦労があったことと思います。本書の中にも出てきますが、先人達は留学先でこちらの本で梵語を習得されたようですね。荻原の『実習梵語学』が出る前は、わが国でも教科書として用いられていたそうです。今でも版を重ねて、ドイツでは現役の教材のようです。

Elementarbuch Der Sanskrit-Sprache: Grammatik, Texte, Worterbuch (de Gruyter Lehrbuch)

Elementarbuch Der Sanskrit-Sprache: Grammatik, Texte, Worterbuch (de Gruyter Lehrbuch)


渡辺海旭といえば、先日、そのゆかりのあるお寺さんへ仏教書の買取に伺ってきたところです!

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PTSは120冊以上ありました。The Pāli Text Societyは、1881年にパーリ仏典研究の大家Rhys Davidsによって設立されますが、当時南条文雄らが日本人として初めて、イギリスで氏に会う機会を得て、パーリ語の習得をさかんに薦められるも、大乗の研究を専らとするためか、その進言を頑なに断ったという逸話が本書で紹介されてました。