古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2010-03-01から1ヶ月間の記事一覧

いよいよ

『広説 佛教語大辞典』の縮刷版が今年の6月に刊行されるそうです(参照)。 となると、今まで入荷するとすぐに売れてしまってた全4冊本の古書価も下がっていくのでしょうか。定価7万円超で、且つ、すぐに売れるという、仏教書においては、ある意味ドル箱的存…

註がない…

今週から『楞伽経』の散文部分(とりあえず「無常品」)を読んでいってます。といっても、まだ始めたばかりなんですが、いきなり躓いております…(笑)。同経は、邦訳が二つ刊行されているのですが、その二つともに、訳文に註記が全く付されておらず、訳の根…

新刊

先日知ったのですが、こちらの新刊が出た模様。 タイトル:初期唯識思想の研究 唯識無境と三性説 著者:兵藤一夫 発行所:文栄堂 定価:9,975円 判型・頁数:A5判 ハードカバー・函 492ページ ISBN:9784892431111 すでに「三性説における唯識無境の意義」(1)(2)…

現代霊性論

ちょっと息抜きにこちらの本を買ってみました。とりあえず、「スピリチュアルブームの正体」「日本の宗教性はメタ宗教にあり」などの部分を読んでみましたが、『不干斎ハビアン―神も仏も棄てた宗教者 (新潮選書)』と重なる部分があるな、という印象でした。…

批判的精神

ちょっと間が空いてしまいました。別に、真面目に勉強しててブログどころではなかった、というわけではありません(笑)。 まず、仕事の方の話ですと、すでにご存知の方もいらっしゃるかもしれませんが、2ヶ月くらい前から、寺院・ご住職さん向けの某雑誌に…

空の思想史

前回、三性説を持ち出したついでにこちらの本を何となく手にとる。「空」という概念も時代と場所によって色々な意味を持ち、それを視点にして仏教史を捉えてみると面白いよというのが本書です。もともとインド人の考え方として、基体(ダルミン)と属性(ダ…

三性説

科目最終試験もすべて出し終え、ほっと一息。そんな中、三性説についての勉強を再開。三性説というのは、今までいろいろな研究がなされ、百花繚乱な観がありますし、研究され尽くしたという観もなきにしもあらずです。文献によっていろいろなバリエーション…