古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ある先生の蔵書

うちの店は以前目録を出していた時があります。出す度に必ずご注文をいただく方が何人かいらっしゃいましたが、その先生もそうでした。ある時、お電話で私に、自分が亡くなったら本を全部買い取ってもらえないかと、お聞きになられたことがありました。その…

三島由紀夫と唯識

今日は、いろいろとありまして、朝から一日外出。その間に、近くの書店に立ち寄り、こちらの本が平積みになっているのを発見し、思わず購入する。三島由紀夫 幻の遺作を読む もう一つの『豊饒の海』 (光文社新書)作者: 井上隆史出版社/メーカー: 光文社発売…

仏教とジャイナ教の間

こちらの本が出た模様。ネット上に情報はあがってますが、まだamazonにも楽天にも、そして新刊書店にも並んでおりませぬ。沙門ブッダの成立―原始仏教とジャイナ教の間作者: 山崎守一出版社/メーカー: 大蔵出版発売日: 2010/11メディア: 単行本 クリック: 7回…

中間発表会とか

昨日は今年2回目の中間発表会のため、京都の本学へ。私自身、発表はしませんでしたが、先日提出した草稿の件で、少し質問がありましたので行ってまいりました。和訳でいくつかおかしいところがある他は、大体OKとのことで、清書許可をいただけそうな感じでし…

『場所と産霊』読了

すでに何度か触れてますこちらの本を読了。とにかく、面白かった。安藤氏は、この本の中で、日本近代思想史を、スウェデンボルクからアメリカに展開したユニテリアニズム(神人合一という神秘主義的一元思想)という側面から読み返す試みをなさっているので…

逆輸入された「仏教」

こちらも買ってしまいました。いずれにしても、このシリーズ、やはりそろえる必要があるかもしれないですね。初めに、この巻の大乗仏教の起源の箇所を読み、続いては第一章「近代仏教学の形成と展開」も読んでみました。それを読みますと、仏教とは何かとい…

世親と楞伽経

10月末に修論・草稿を提出いたしました。すでに何度か触れましたが、一応、大雑把に言いますと、テーマは楞伽経で、それを初期唯識思想史上に位置づけてみようという狙いです。そういうことになりますと、どうしても世親との関係に触れないわけにはいかない…