古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2015-01-01から1年間の記事一覧

年末年始の読書

今年ももうすぐ終わり。毎年この時期になると、ついついいろいろと本を買ってしまいます。まずはこちら。漢文入門 (学芸文庫)作者: 前野直彬出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/12/09メディア: 文庫この商品を含むブログ (1件) を見るなんか、いつも「漢…

新国訳大蔵経 楞伽経

早いもので、今年も残りわずかとなってきました。例年12月前半は慌ただしくなります。まずは、古書会館での大市が準備期間も入れて丸一週間あり、その間ずっと店を留守にしてました。そしてその後は、自店の目録発行とその対応、その合間をぬっての出張買取…

ブッダは実在しない

書店に立ち寄った時に偶々見つけてしまい、そのまま買ってしまった本。見事にタイトルに釣られてしまった感じです。ブッダは実在しない (角川新書)作者: 島田裕巳出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店発売日: 2015/11/10メディア: Kindle版この商品を含むブ…

テクストを疑え!

出たばかりのこちらを早速購入。テクストとは何か:編集文献学入門作者: 明星聖子,納富信留出版社/メーカー: 慶應義塾大学出版会発売日: 2015/10/29メディア: 単行本この商品を含むブログを見る副題として「編集文献学」という、ちょっと聞き慣れない言葉があ…

大乗経典の誕生

平岡先生の新刊が出ましたので、早速買いました。大乗経典の誕生: 仏伝の再解釈でよみがえるブッダ (筑摩選書)作者: 平岡聡出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2015/10/13メディア: 単行本この商品を含むブログを見る大乗仏教の起源・誕生については近年いろ…

大乗のアビダルマ

近年、そのサンスクリット写本が発見され、校訂テキストも出され、注目を集める世親の『大乗五蘊論』ですが、待望の一般向け解説書が出ましたので、早速買ってみました。『大乗五蘊論』を読む (新・興福寺仏教文化講座)作者: 師茂樹出版社/メーカー: 春秋社…

高野山

高野山へ行ってきました。今年は、816年に弘法大師空海が密教の道場をこの地に開いてから1200年の記念の年にあたるそうで、印仏学会もそれに合わせて9月19・20日に高野山大学で開催されました。高野山というと、以前近くまで本の買取で来たことがありました…

ヤスパース・ルネサンス

今年はヤスパースという哲学者がひそかに注目を集めそうです。ドイツ本国で初めての全集(Karl Jaspers Gesamtausgabe)が刊行されるからですが、その日本語版もそのうち出る計画があるようです。ヤスパースというと、今どれだけ読まれているのかよく分かり…

バガヴァッド・ギーター詳解

出たばかりのこちらを早速購入。買ってもすぐに読むというわけではないのですが・・・。全18章700の詩節を全訳。構成としてはまずは各和訳があって、それぞれの詩節に対する解説が続きます。この解説部分と、「現代人にもわかる明解な言葉で」というのが本書の…

ランカーの場所についての諸説

ランカーの場所については、今までここで触れてきましたが、先日こちらの本を書店で見かけ、立ち読みしているとその辺について結構触れられていましたので、購入して飛ばし飛ばし読んでみました。この本は佐々井氏の口述をもとに書かれているので、註記が全…

インドのイム

すっかり忘れていたこちらの展覧会。展示の様子はこちらでも見れます。行きそびれてしまいましたので、図録だけでもと思い、購入してみました。同時期にやっていた他の展示は、うちの店にもポスターやチラシ等がきたり、他でも見かけることもありましたが、…

スリランカの大乗仏教

発売されたばかりのこちらを入手。発売当初はAmazonはじめネットでは一時的に在庫切れとなっていて、注文出来ませんでした。そんな折、ふと日本の古本屋で検索してみると、あるではないですか!しかも新本同様!!というわけで、即注文。あっという間に手元…

チベット語の般若心経

先日、ここをご覧いただいたという方から、店に電話がありました。そのRockwellの本を入手したいそうなんですが、品切れになっているようで、入手困難な状況であると。調べてみますと、確かにamazonではOut of Printとなっていて、古書の検索サイトで見ても…

比較思想と逆さ日本図

先日は、東洋大学で比較思想学会がありました。すぐ近くでしたので、行ってみようかと思いましたが、いろいろとやらなきゃいけないことが目白押しだったので、今回は(今回も?)パスしてしまいました。残念。個人的には非常に興味がある学会で、いずれは私…

インド・グリーク

先日たまたまこちらの本を入手しました。異端のインド作者: 定方晟出版社/メーカー: 東海大学出版会発売日: 1998/03メディア: 単行本この商品を含むブログを見るネットで検索してみますと、この本についての書評のようなものがあまり見られないので、どのよ…

ヴェーダーンタ

いつのまにか新年度となっておりました。仕事の方は年度末だったこともあり、出張買い取りなどバタバタしてました。今月もまた数千冊規模の買い取りが控えておりますので、倉庫整理と店の在庫整理に日々励んでます。ここ最近は専ら印哲関連の本を、分かった…

ヨーガ学派と唯心思想

私が読んでる経典には、サーンキヤ関連の用語というのがポツポツと出てきます。初めはそれほど気にも留めなかったのですが、最近になって何だか気になってきました。今までは仏教内部の影響関係ばかりに目がいってたのですが、もう少し広くインド諸思想に目…

ひとつのインド、いくつものインド

2015年も、よろしくお願いいたします。 こちらは正月休みに読んだ本です。この本のユニークな視点は、古代インドの思想を自然環境、気候変動という点から見てみようというところにあります。 インドでは多くの場所で一年中高温で、大気が乾燥して霞も靄も出…