古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2010-01-01から1ヶ月間の記事一覧

バガヴァッド・ギーター

先日、書物誕生シリーズのこちらの本を読みました。ギーターの内容紹介というよりは、むしろシュレーゲルをはじめとする欧州言語への翻訳とそこに潜むサンスクリット言語・(口承)文学というものの特殊性について多くを割いているという印象です。中でもヨ…

上村先生の遺稿−サンスクリット語・その形と心

つい二、三日前ですが、上村先生の遺稿であるサンスクリットの入門書が、すでに『ラテン語・その形と心』を出版されている風間先生によって引き継がれ、本となって世に出たようです。サンスクリット語・その形と心作者: 上村勝彦,風間喜代三出版社/メーカー:…

梵語原典を読もう

科目最終試験もひと段落で、そろそろ論文の方に集中していきたいと思ってる今日この頃。昨年末に購入したこちらの勝呂先生の本を読み出す。なかなかこの大部な本を外に持ち歩こうというわけにはいかず、家で腰を据えて読んでますが、なにぶん頁数があり、家…

ある蔵書家の一口

久しぶりに市場の話。今週は火曜日の洋書会にキリスト教関係の口が大目に出ておりました。教父著作集、聖書註解書、ギリシア・ラテン関係のテキスト類なども。それらの中で、聖書註解書とギリシア語テキスト類などを少々入手。翌水曜日の資料会には、和書で…

センス・オブ・ワンダー

元旦に買ったこちらの『神社霊場 ルーツをめぐる』ですが、暇を見つけては少しずつ読んでました。全国各地の神社霊場の紀行文という感じで、どこからでも気楽に読める内容でしたので。神社は死のケガレを忌避し、葬地はお寺にまかされ、霊場は仏教的なイメー…

仏の死からはじまる仏教

すでに読まれた方も多いと思います、こちらの本。現代仏教学の大家による、インドから中国・日本へと展開する明解な仏教史になってます。この本では、仏教がゴータマ・ブッダの直接の教えから生まれたというよりも、むしろ、彼の死後、その死を乗り越えよう…

漢文の勉強法

『楞伽経』を読むのですが、最古の漢訳・「四巻楞伽」には国訳(というか書き下し文)がなく、古い漢訳なために読むのが難儀です。以前は、仏教漢文の講義を都内某大学の科目履修生で受講しようとしたんですが、結局履修できず、独学でやらないといけないこ…

チベット展

最終日が明日に迫った今日、上野に聖地チベット展を観てきました。10:00の開館前に着きましたが、チケット売り場にはすでに2、30人ほどの列が出来てて、なかなかの混雑ぶり。入り口前にはチベットの旗を持った方々もおられ、この展示の複雑な政治的事情を物…

無常大鬼

正月休みに読んだこちらの本。その表紙を飾るのはキールティムカと呼ばれる聖獣です。「キールティ」とはほまれを意味し、「ムカ」が顔を意味することから、「ほまれ高い顔」と訳されるそうです。あるいは、「キールティ」が「名称」、「ムカ」が「口」をも…

始動

もう正月気分も終わりということで、そろそろ狂った生活リズムをもとに戻さねば…。それはそろそろ勉強しないと…ということを意味するわけで、昨日あたりから少しずつ取りかかる。まずは、年末にやっていた最後の大乗涅槃経の梵語写本についてのレポートの仕…

新年を迎えて

明けましておめでとうございます。今年は12月が修論の草稿提出締切りですので、楞伽経三昧な一年になりそうな予感ですが(笑)、どうぞよろしくお願いいたします。同時に唯識の勉強も進めていきたいと考えております。wiki(参照)とか書き始めたのはいいで…