古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

2022-01-01から1年間の記事一覧

松濤ノート

東大図書館には、高楠順次郎、河口慧海の両氏によって収集された梵文写本が570部所蔵されているそうですが、そのカタログは松濤誠廉先生によって作成されてます。 松濤先生がその調査をした際にまとめた直筆ノートというのが公開されております。 iiif.dl.it…

注目の新刊!

これは買わないと…。 インド大乗仏教の虚像と断片 作者:グレゴリー・ショーペン 国書刊行会 Amazon 出版社による内容紹介と目次はこちら。

写本に欠落が…

写本を読んでると、途中、突然欠落してる箇所に遭遇することがあります。 何の前触れもなく、突然に。 当たり前ですが(笑)。 で、その欠落してる部分のテキストを探していると、おかしいなと戸惑ってしまうことになります。結局、電子テキストを参照してその…

本学へ

昨日は10時前に京都へ着いてまずは図書館へ。 今回の目的は、こちら。 リンク先にもありますが、こちらはデルゲ版カンギュルを底本として永楽版、リタン版、北京版、チョネ版、ナルタン版、ラサ版、庫倫(クレ/ウルガ)版をそれぞれ比較校合している決定版です…

研究発表会

今月は、学内の研究発表会がありますが、そこで発表をしてまいります。 内容としては、新出写本の紹介とそれを読んだ中で、分かってきたことです。現段階での途中報告になりますが、これを叩き台として論文に仕上げたいと思ってます。 で、それを完成させて…

貝葉写本データベース

昨年公開されていた東大図書館所蔵の貝葉写本データベース。 dzkimgs.l.u-tokyo.ac.jp 私が読んでいるものも公開されてます。 以前はモノクロで、およそ50㎝あるため、端が切れて公開されていたため、わざわざマイクロフィルムを複写に出向いたものです。今…

多くのヴァリエーション…

印仏の論文が終わり、次の発表会に向けての準備に取り掛かっております。 内容は今まで読んだ写本の内容とそこから見えてきた経典の成立史に関する考察。 今読んでいるところは、経典の素材集ともいわれる様々な偈頌の集まり。それらは他の文献と共通するも…

発表を終えて

先日の印仏学会ですが、初めてのオンラインでの発表ということもあり、操作の点など不安なところもあったのですが、無事に終えることが出来て、ほっとしております。論文の方は大体出来ております。 今後は,次の論文の方に頭を切り替えて行こうと思います。…

実は今…

もろもろの事情が重なって、このブログを更新できませんでした。実は今、家を新築(建て替え)するという話になってまして、その打ち合わせがずっと続いておりました。毎週日曜はその打ち合わせでしたので、なかなかまとまった時間が取れず…。 ここへきて、…

博論の構想が固まってきた

博論の構想が固まってきました。現段階で、おおよその論題を決め、落としどころというか結論もおぼろげに見えてきました。新出(未読)の写本を見たうえで、それも論拠に加え、先行研究を裏付けられるんじゃないかというものです。 って、何をいっているのか…

印仏学会のプログラム

間が空いてしまいました。いろいろとプライベートで忙しい案件がありまして、日曜日はほぼそれでつぶれてしまい、このブログもちょっと放置してしまいました。写本の方は例のタブレットで主に出先で読んでます…。 さて、印仏学会のプログラムが発表されまし…

時間がない!

やはり、時間がないですね…。私の場合、平日に家で捻出できる時間はせいぜい1,2時間。1偈について、写本を読むのに1本3分かけるとして、それが30種あるので、1偈読むのに1時間半は最低かかる計算になります。もっともそれはすんなりいった場合の話で、よ…

写本上の記号

間が空いてしまいました。相変わらず写本の方を読み進めています。 前にも書きましたが、気になる点を確かめるため、もう一度最初から全ての写本を読み返してました。結局ダンダは写本によって様々、ということを確認出来ましたが、ただ、それで済まされてし…

同じ写本に気づく!

ちょっと間が空いてしまいました。私生活でいろいろありまして、バタバタとしておりました。3月も後半に入り、大学からは4月からも継続して在学するかの意思確認の通知が来ておりました。もちろん継続ですが、今年の11月の博論提出は黄色信号です(゜-゜) 相…

写本が揃う

ドイツのネパール梵文写本保存プロジェクト(Nepal-German Manuscript Preservation Project)の写本の残りのスキャンデータが送られてきました。これで同プロジェクトが所有している経典が全て揃いました。 早速読み始めまして、それらの写本が私が読んでい…

近代のサンスクリット受容史

先日購入した本です。西村先生の以下2点。 近代のサンスクリット受容史 作者:西村実則 山喜房佛書林 Amazon こちらは新版(増補)が出たので、改めて買ってしまいました。 〈新版〉荻原雲来と渡辺海旭: ドイツ・インド学と近代日本 作者:実則, 西村 大法輪閣…

頭の痛い問題

ドイツのネパール写本ですが、前回ちょっとダウンロードに手間取ったので、今回はUSBメモリで郵送という形になりました さて、先日来、気になってました写本のダンダの問題ですが、例えばこちらを読みますと、写本によってバラバラで、ついていたりそうでな…

躓きから見えてきたこと

前回ここに書いた件、やっぱり、自分のこれまでの見解を補強する新たな論拠になりえるんじゃないか?そう思って、これから調べてみようと思いました。今まで分かってきたことと絡めて、今年はその辺で論文を1本書きたいと思います。結果として、躓きからひら…

躓いたスタート

2021年スタートしていきなり躓いてます(苦笑)。私生活でいろいろとあり、1月はあまり進まなかったですね…。 それはさておき、写本の方ですが、ケンブリッジの写本2本が見れるようになりました。ケンブリッジの方は、ECサイトもしっかりと構築されていて、…

2022年がスタート

目標としては、今年も昨年と同じなので、そこは省略します 今年博論を出せるか分かりませんが、ともかくやるだけです! 写本の方は今のところ17種を並行して見ながら読んでいってます。それだけあると、一日あたりせいぜい一、ニ偈くらいしか進みませんそれ…