印仏の論文が終わり、次の発表会に向けての準備に取り掛かっております。
内容は今まで読んだ写本の内容とそこから見えてきた経典の成立史に関する考察。
今読んでいるところは、経典の素材集ともいわれる様々な偈頌の集まり。それらは他の文献と共通するものもあり、どちらか一方が他方を引用しているのか、あるいは共通する源泉から引用しているのかは不明ですが、ともかく言えることは、そうした様々なところから引っ張ってきた偈頌を素材として経典を作っていったのではないかということ。
で、その経典本体に再録されている重頌というのが結構あり、偈頌集のとは微妙に異なっていて、その差異やどちらがより原型といえるのかというのも考える必要があります。時代変遷の判断基準は漢訳や蔵訳ですが、それらの各々についても偈頌集と本体の重頌と二つ見る必要があり、かなり手間がかかります(苦笑)。
つまり、一つの偈頌に対して、写本が約30種あり、重頌がある場合は、それと同じだけの写本をさらに見ないとならないわけで、60種のヴァリエーションがあることになります!さらにまた漢訳(三種)と蔵訳(二種)もそれぞれ見ないと…(笑)。
それだけ多くのバリエーションが存在しているというのは、ある意味で大変興味深いことだと思います。博論までに全部の写本を読むことは無理なんで、焦点を絞るしかないのかな…と今は考えています。嗚呼。
あと、梵本テキストが新たに以下があることが判明して、さっそく注文を出しておきました。
また見るべきものが増えてしまいました…(苦笑)。