正月休みにこちらを読みました。
例えば、ギリシア神話のオルフェウス物語と古事記のイザナキ・イザナミの話など、非常に離れたところで、同じような神話があるというのはよく聞くと思いますが、本書ではそうした世界的な神話の類似性に対して、一つの仮説が提起されてます。それが、遺伝学や考古学によって明らかになった原初の人類の移動した軌跡と、神話的な類似性がが重なるというもの。もともとはマイケル・ヴィツェル先生(古代インド神話・宗教がご専門)が提起したものですが、その紹介とともに、筆者による検証と見解が示されています。
これがそのネタ本。
The Origins of the World's Mythologies
- 作者: E. J. Michael Witzel
- 出版社/メーカー: Oxford University Press, Usa
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: ペーパーバック
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離れた場所に似た神話があるのも、DNAレベルで説明されてしまうと、何か妙に説得力を感じました(笑)。興味深いですね。
あと、ずいぶん前に買ったこちらもパラパラと眺めてました。唯一の日本語で読める入門書だけに、貴重なもの。「ラーマーヤナ」に匹敵する説話集である「カター・サリット・サーガラ」の成立前に「ブリハット・カター」という大説話があったという、ほとんどが未知の領域の話だけに、勉強になりました。
しかし、「カター・サリット・サーガラ」は岩波文庫に入ってはいますが、長らく品切れが続き、復刊が待たれますね。
ちなみに、トーニーの英訳はうちの店に長らく在庫してるんです・・・って、ちゃかかり宣伝(笑)。
こちらも新刊では入手できず・・・。