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達磨大師とダルマさん

読書録

ダルマの民俗学―陰陽五行から解く (岩波新書)先日、店の本の整理をしてて見つけた本。ちょっと読んでみただけで面白かったので、そのまま一気に読み通してしまいました。一方の達磨大師は言うまでもなく禅宗の開祖であり、宇宙の実相を観得したという深遠なる存在。それに対し、俗信としてのダルマさんはどこかお茶目で!?縁起もの。両者はどうしてそんなに落差があるのか?あるいは、両者の接点はどこにあるのか?昔、私も素朴に疑問に思ったことがありましたが、その疑問に答えてくれるのが本書です。ネタバレとなってしまいますが、結論的なことをいえば、両者の間に五行思想を置くことによって、見事にその疑問は解決されるのです。


達磨大師は中国人にとって「火」の象徴として受け容れられたのではないか?面壁九年といわれますが、その九というのは、五行でいえば、まさに火の象徴。火の象徴としては、両界曼荼羅の「火天」が有名ですが、こちらのリンク先の下方の図をみますと、たしかにダルマさんの原型!?のようにも見えてきます…。


そして、日本の俗信であるダルマさんはそうした五行思想によって理解された達磨大師の更なる展開ということになるんですね。なぜ、正月に縁起物としてダルマを飾るのか?ダルマはなぜ赤いのか?そして、選挙事務所になぜダルマが飾られるか?そのカギは五行思想にあったんですね…。思わず、なるほど!とつぶやいてしまいました。ちょっと古い本ですが、未読の方は是非一読を!