古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

英訳求む!

f:id:furuhon-ya:20120730155554j:plain:right:w150先日、ベートリンク・ロートの梵語大辞典7冊、簡約版3冊、補遺1冊、ともに名著普及会版が入荷しました。中には、初めて見る、出版社のパンフがあって、思わず読んでしまいました。辻直四郎、金倉円照、中村元、原実…といった著名な先生方による推薦文が載ってます。


それによると、この辞典は、梵語を読む人の最後の砦ともいうべきものだそうで、様々な梵語の辞書が出ていますが、ひとたびそれらの記述に疑問を感じた場合や説明に満足がいかない場合は、この大辞典に遡って検討すべし、とのこと。

たしかに、それぞれの単語について、出典を明記した引例がたくさんなされてますし、そういう意味では、語義とその変遷についての一番詳しくて使いやすい辞書なんでしょう。例えば、「アートマン」という単語ひとつをとっても、3ページにわたって解説がなされ、90余の用例がぎっしりと挙げられています。総計4810頁余!からなる、他の追随を許さない偉大なこの辞典、私にも使いこなせるときがくるのでしょうか(苦笑)?


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いまや、ネット上で公開されてるようですが(参照)、そういう時代になるとは、この覆刻版が出た当時は思いもよらないことでしたでしょうね。

それにしても、Bibliotheca Buddhicaなどをはじめ、名著普及会、いい仕事してましたよね(笑)!

そうした基本的名著の普及という出版業自体がすでに危うくなっている現在ですが、

インドあたりで、英訳、しかも改訂増補版とか!出してくれないのでしょうか?