古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

satva or sattva ?

GWは、仕事に行く以外は基本的に部屋に籠って勉強です(^^)

 

連休中、twitterで知ったこちらの船山先生の論文を読みました。

 

それと関連するこちらの論文も。

zenodo.org

 

一般的にネパール系の写本ではsattvaやtattvaなどをsatva, tatvaと表記しているようです。あと、rの後の子音が重複されるとか(dharmaやvartateをdharmma、varttateなどのように)。

 

私が読んでいる写本でもsattvaはほとんどsatvaとなっていて、しかし、校訂本はそれをsattvaと注記もなく訂正してまして、私も前から疑問に思ってたところでした。その点で、非常に興味深く読むことができたのでよかったです。

 

f:id:furuhon-ya:20200502192122j:image

 

あと、船山先生の論文にある、satvaがヴェーダ語のsatvan(勇者、英雄、戦士etc.)と関連があるのではないかというのもすごく興味深いところ。bodhisatvaを菩提薩埵と訳す場合、薩埵の語義に丈夫とか立派な人という意味が込められていて、それはヴェーダ語の意味を酌んでいるのではないか⁉というのも興味深く思いました。bodhisatvaのインド的な意味はその辺なんでしょうか。つまりsattvaよりもsatva?

 

こんな感じで、satvaかsattvaか、一文字入るか入らないかを巡って、立ち止まって一日考えていたりするんで、なかなか進まないんですよね…(笑)。