古本屋の研究日誌

古本屋として働きながら博士号を取得するまでの軌跡

10年以上かかった博論

11月30日が〆切でしたので、そこから逆算して、論文の製本にかかる時間も含めて1週間前に完成させる予定だったのですが、いろいろと問題多発で、直前までかかり、結局はわずか数時間で製本するタイプの一番料金の高いものになってしまいました(笑)。ま、そこはしょうがない…。

 

直前まで粘った要因はいろいろとありますが、その一つは作成ソフトであるWordだったのは間違いありません(笑)。慣れない作業に手こずって、論文内容よりも、体裁を整えることばかりに時間を取られてしまいました。

 

あとは、保留して先送りにしていた問題がいくつか残っていたというのもあります。直前になって焦って、それらに踏ん切りをつける。

 

そして、直前に知ったSchmithausen先生の最新の論文―新出写本についてまとめていらっしゃる―についてもざっと目を通したのですが、ドイツ語なので、読むのに時間がかかったというのもありました。

 

furuhon-ya.hatenablog.jp

 

分量としては、文献リストとかも入れて、400字詰め原稿用紙430~440枚くらいで、文系の博論としては、少ないのかもしれません。正直、書こうと思ったことはもうちょっとあったのですが、タイムアウトで、強制終了となりました。直前の日曜日は終日小雨の降る寒い一日でしたので、部屋に籠って何とか完成させました。

 

私の場合、博士課程に入ったのは2012年。

 

そこからいろいろありまして、休学を3年とって満期退学したのが2018年。その後、研究員を3年してましたが、この時は研究する時間がまったくとれず、正直もうやめようと思っていました。何とか思いとどまって、その後再入学したという経緯があります。まわり道を経てようやく完成でき、感慨深いものがあります。

 

この後の口頭試問でどれだけ間違いを指摘されるか恐怖と不安でいっぱいですが(笑)、今はとりあえず、完成させた安堵感に浸っていようかと思ってます!

最後の追い込み

前に投稿した時から間が空いてしまいました。

博論提出まであと2か月を切り最後の追い込みとなります。

出来上がったものを読み返すと、次から次へと間違いを見つけたり、要再考の付箋をつけるのですが、そんなのばっかりで、本当に提出できるのか?という自問自答を繰り返す日々です😅

 

さて、昨年『印仏研』で発表した論文が公開されましたので、一応載せておきます。

doi.org

 

あと、最近出たもので注目の本。とりあえず、買うだけ買っておこう。

 

 

発表を終えて

先日、印仏学会にて発表させていただきました。

今回もオンラインでの開催。やっぱりオンラインですと、仕事を休まずに参加できるのでうれしい。他の先生方のすごい発表を聞いて、レベルの差を痛感するのはいつものことですが(苦笑)今回も大変刺激的なご発表があり、レジュメの方を何度も読み返しております。

 

『印仏研』の論文原稿はすぐに仕上げて、推敲中。英文要旨の方は、知り合いの書店さんでアルバイトしているハーバード大学大学院からの留学生にネイティブチェックをお願いしました。

 

今回の学会で知った、以下のSchmithausen先生による本。

www.amazon.co.jp

 

この第3巻に、楞伽経の「食肉品」の部分の新しい校訂テキストが含まれていることを知って、早速注文しておきました。一応、眼は通しておかないと…。

 

博論の方は、これから最後の仕上げになりますが…。

 

懸案の事項もあって、果たしてどんな形になるか…。

 

寝ても覚めてもいろいろ考えております。

【博論】進捗状況

計画よりもちょっと遅れ気味ですが、博論の第1部については、7~8割くらいは書けました。第1部は、書下ろし部分なんで、ここの目途が付けば、全体の計算が立ちます。その部分は、新出の写本から分かったことをメインに書きました。

 

それをいうと、第2部もその視点でやったほうがいい気がするんですが、時間的にどうでしょうか…。前から気になってるんですが、私が読んでる経典、その原型にはどうも外教説との共通要素があるような気がしてならないんですよね…。そこから分かることは何か…、

 

どういう結論が導き出せるのか、先が楽しみになってきました。

 

さて、最近出た本で注目の本。

 

瑜伽行派との関係がある般若経典として有名な経典ですよね。



新たな用例を発見

博論は構成が決まり、序論も大枠を決め、第1章に取り掛かっております。それに関連するところで、先の印仏研発表に関する新たな用例を見つけ、その点に関して写本をチェックしておりました。写本が多いので時間はかかりますが、それも博論での自説の補強になりそうです。

 

あと、如来蔵についても、これからやらないとなぁ…という感じです。今まで避けてきましたが、避けては通れないんで。こちらの入門書を買っておいたので、読み進めております。

 

そういえば、先日、古本で偶然見つけてこちらを購入。

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竹村先生が、大拙の『楞伽経研究』について書評を書かれてるのを発見したんで。


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